OKADA'scafe


□Calling4
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気持ちのいい青空は何処までも続いていて、まるで青色の絵の具でペイントした様な秋の空には雲ひとつ無かった。


そして、暦は大安吉日。

「おめでとう」の祝福の声と、紙吹雪。
郊外のチャペルは、北欧のガーデンに建つ小さなお城だった。
緑のコントラストの中に立つのは、純白のお姫様。そう、誰もが羨む主人公。

祝福の言葉と、ライスシャワーの中の二人は本当に幸せそうに笑っていた。

「先、越されちゃったなー」

にこやかに新婦を見守るあこの同僚は、その表情からは想像できないような落胆の言葉を発した。

「絶対、私の方が先にいけるとおもったのに」

嫌みと云うよりは、妬みだろう。
彼女は花嫁には「お幸せに!」と手を振りながら、隣のあこにしか聴こえない声で囁く。

「すぐ別れたりして(笑)」


チャペルの階段の一番高いところから、新郎新婦は拍手に応えるように一礼すると、見詰め合ってはにかみながらキスを見せ付けた。
会場が冷やかしと歓声に包まれると、新婦は手に持つ幸せの形を空に放り投げた。
美しく放物線をかいた花束は、出席者の一人の手の中に落ちていく。


「わぁっ」

あこの腕の中に花束が収まると、周りからも拍手を浴びた。
勿論、隣の彼女も些か本意では無いだろうが「良かったじゃん」と、拍手に言葉を添えた。




【】






式が終わって、パーティーも華やかに幕を閉じると、ゲスト達は仕切り直しの二次会へと向かっていた。
社内結婚と言うこともあり、ほぼほぼ顔見知りばかりの出席者にあこの同僚はあまり面白く無さそうだった。

「あーあ、結局何時ものメンバーか」

『そう言うなよ(笑)』

「既婚者はいいから」

左の薬指に光る妻帯者の証しに、彼女は舌打ちをした。

『怖ぇーなぁ!』

酔っているのか、何時にも増して同僚は饒舌に伐っている。

「それより、あこっ!」

「なに?」

目の座った同僚に睨まれ、あこは嫌な予感しかしなかった。

「あんたねぇー」

肩を捕まれたかと思うと、ぐいとあこに顔を近づける。

「ブーケ貰っておいて……」

ブツブツと小言を言っているが、呂律が回っていない。あこに体を預ける同僚の横で、男どもは話を続けた。

『そうだ、ブーケ!次は仲本辺りかぁ?』

『えっ?!仲本って付き合ってるやついんの?』

一斉に視線があこに集まると、同僚が鬼気迫る声で訊ねた。


「相手は誰よ」

「…!」

「どこの誰と付き合ってンノって聞いてんの!」

『仲本、本当に彼氏いんの?へぇ、初耳だな。』

「……彼氏と言うか……その」

段々突っ込まれたくない話題に風向きが向いてくると、あこは誤魔化すように周りに目配せをした。
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