OKADA'scafe
□星に願いを
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空とか星とか宇宙とか…
昔から興味はあったけど、若い頃はそれを口にするのが恥ずかしいと言うか
カッコつけてる様で、擽ったかった。
最近やっと、彼女にも星を見たいと素直に言えるようになってきた。
【】
「流星群だって…」
准一の隣で今朝見たワイドショーの受け売りを、あこは嬉しそうに話す。
冬の始まる季節
最近登山に魅了されている准一は、男友達ばかりと出掛ける日が続いていた。
久々のあことのドライブは、何だかフワフワとすると言うか…
気合が入ると云うか…
浮き足立っているのは、明白だった。
『夜の山は寒いで、ちゃんと防寒具用意してきた?』
准一はハンドルを握りながら、助手席のあこに聞く。
「大丈夫……てかさ、准は星を見に行くのに凄い荷物だよね?」
後部座席にも積まれた荷物には、どれも准一が愛用している登山グッズのメーカーのロゴが入っていた。
「大丈夫…………だと思う
ヒートテックの重ね着だし…」
あこはセーターの下を捲りながら言う。
『あんまり寒いのもあれやけど、きっと星は綺麗やで?』
首都高を柔らかい夕日が包むと、あっという間に夜がやって来る。
車窓から覗く薄い月が、何時までも追いかけて来ていた。