創作場(花朔)

□SWEET★HALLOWEEN
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「ホントに羨ましい限りだね。あんなに堂々と朔羅に抱きしめられるなんて。」
鏡が横目で和気あいあいとしている5人を見る。
「ほんまやわ〜。おなご3人は良しとしてマクベスハンまで抱きしめられとるんやさかい、わいらが抱きついてもいいんとちゃいます?」笑師も頷く。
「マクベスは朔羅にとって弟のようなものだからな。抵抗なく抱きしめられるのだろう。」
俊樹はあくまで冷静を保とうとしている。本心は羨ましくてたまらないのだが。
「ん?ってことは十兵衛ならOKってこと!?え〜、十兵衛ずるい!!」
銀次が思いついたように言う。確かに十兵衛は朔羅の弟だ。確かにその通りなのだが・・・。
「なっ、何をバカなことを言っている!!そんなことするわけないだろう!!姉者に抱きつくなどそんなこと…。確かに昔抱きしめられた時、姉者がとても柔らかかったのは覚えているが…。と、とにかく俺は潔白だ!!」必死に否定する十兵衛。
「でもあんだけ見せつけといて俺達だけお預け、はねぇーよな。朔羅無防備だしよぉ、後ろからでもいきなり抱きつけば案外いけるんじゃね!?」蛮がにやにやと企む。
「そんなこと許すとでも思ってるんですか!?やれるものならやってみて下さい。全力で阻止しますから。」
さらりと言い切る花月。男性陣が言い合っているとやっとのことで朔羅から解放されたマクベスが不思議そうに尋ねた。
「そういえば気になってたんだけど、なんで朔羅だけモンスターの仮装してないの?」
そう言われればそうだ、とみんなは思った。自分達はモンスターの仮装をしているのに、なぜか朔羅だけは中世ヨーロッパ風のドレスを着ている。それはとても朔羅に似合っていて、彼女の落ち着いた、だが無視することはできない美しさを一段と引き立てていた。
「えと、それは、ですね。時間がなくて用意できなかったので、何か代わりになるものはないかと探したところ雰囲気に合いそうなこのドレスが見つかったので…。」
朔羅は申し訳なさそうに言う。実は今日みんなが着ている衣装の半分以上は朔羅の作ったものだった。みんなの分を作っていて自分の分を作ることができなかったのだ。そのことを知っていた花月は苦笑しながらも優しい朔羅らしいな、と朔羅に対する思いを一層深めるのだった。
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