創作場(花朔)

□星月夜に
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そしてしばらくして、「じゃあ、そろそろ時間だし、行こっか!」と銀次が号令をかけ、みんなが立ち上がった時である。
「すみません、僕ちょっと用事を思い出しました。みなさん先に行っていて下さい。あっ、でも朔羅は少し待っていてほしいんだ。すぐに戻ってくるから!!」そう言うなり花月はホンキートンクを飛び出した。
「絃巻きの野郎どーいうつもりだ?」蛮がみんなの疑問を口にする。
「朔羅さん、どうしますか?」夏美が朔羅に尋ねる。朔羅は少し考えたが、
「みなさん、花月様の言うとおり先に行っていて下さい。花月様にはきっと何か考えがあるんだと思います。私はここで待っていますから。」としっかりとした口調で言った。
「うん、そうだね。花月君のことだ、何か考えてるに違いないよ。」それを聞いたマクベスが肯定する。
「よっしゃ、ほんなら待ち合わせ場所と時間決めてそこで落ち合おうや。星見祭りにはぎょーさん人おるやろうから。」笑師が音頭をとる。
「そうだな、時間は8時半くらいだとして、問題は場所だが・・・」十兵衛が言葉を詰まらせる。
「そうですねぇ、どこかいい場所は・・・。あっ、待宵の灯なんてどうですか?明かりがついてて暗くても分かりやすいし、それに確かメインコートにも近いはずですよ。」レナが元気よく提案した。
「待宵の灯・・・。素敵な名前ですね。待ち合わせ場所にぴったりです。」朔羅がそう言うと、
「じゃあ、決まりだね。」と鏡がしめる。
「では、また後でな」最後の俊樹が朔羅にそう言って、みんなは出かけて行った。
みんなの姿が見えなくなるまで朔羅は手を振り、そして店内で花月のことを想った。
“花月様は何をしにどこへ行かれたのでしょう・・・?”
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