創作場(花朔)

□女神と堕天使・4〜闇さえ包む君の腕〜
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HonkyTonkに行ってから5日が経っていた。銀次はあれから一度も学校に来ていない。
それは花月も同様だったが。あの夜、自分のことを思ってあの場から連れだしてくれた優しい生徒。
彼の気持ちを考えるといたたまれなくて何か言葉をかけたはずだが、『俺は大丈夫だから』という言葉が返ってくるだけだった。
そのくせ、『寒くない?』とか『俺のせいでヤな思いさせちゃってごめんね。』などといういたわりの言葉かけはかかさなかった。
別れ際に、『ホントはみんな朔羅先生のこと好きなんだよ。でも、今までのこととかあって、素直に認められないんだ。
だから、みんなのこと、嫌いにならないでね。』と言い残して去って行った。
優しすぎる彼は今、どこで何を思っているのだろう…。
あのときの自分はあまりに無力で何もしてあげることができなかった。それが悔やまれてならない。職員室で朔羅は物思いにふけっていた。
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