創作場(花朔)

□女神と堕天使・2〜そして天使は堕天使に〜
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「今日でちょうど1週間、かぁ…」
廊下を歩きながらふうっとため息をつく。赴任初日から鮮烈な洗礼を受けた朔羅はその日から必死になって彼らの出した問題の答えを探しているが、探せば探すほど謎は深まっていくばかりで一向にゴールに辿り着く気配はない。問題を出した張本人たちはといえば、相変わらず学校へ来たり来なかったりと不規則な毎日を送っている。たまに学校へ来たかと思えばそこで待ち合わせてはすぐにどこかに行ってしまうという状況で、朔羅は完全に無視されていた。本来ならここでしっかりと叱るべきなのだが、例の問題が解けない以上、彼らは取り合ってもくれないだろう。やはり課された問題を解くことが最優先事項だと再確認して歩きだす朔羅。しかし、次の瞬間。
「きゃっ!!」
「おっと。」
問題のことで頭がいっぱいだったのだろう、朔羅は曲がり角で同僚の男性教師とぶつかってしまった。
「す、すみませんっ。わたし、よそ見していてっ!お怪我はありませんか!?」
「そんなに強くぶつかったわけわけじゃないし、俺は大丈夫だよ。
筧先生こそ大丈夫だった?」
「あ、はい。少し考えごとをしていて、前を見てませんでした…。これからは気をつけます。」どう見ても非は全面的にこちら側にあるので最敬礼して謝る。
「頭上げてよ。俺は大丈夫だから。それにしても周り見えなくなるくらい考えることって何?」不思議そうに尋ねてくる。
「ぁ…。わたし、赴任初日に3年D組の生徒たちに宿題を出されて、それをずっと考えてるんです。」
「宿題!?これだから不良は…。また担任いじめて楽しんでんだな。」
「いじめる?あの、どういう…」
「あいつら授業受けたくないからっていつも担任のことを集団でいじめて学校に来れなくさせてるんだよ。君みたいな若い先生にまでそんなことするなんて、ゴミ以下だな。」
「ゴッ、ゴミ以下なんて、そんな酷いこと言わないでください!!」
男性教師の言い方に抗議する朔羅だが。
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