創作場(花朔)

□君はペット❤にゃんばぁチュウ
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リリリリィ―ン
AM.6:30
朔羅は布団から少しだけ手を出して目覚まし時計を止めた。
「ふぁ〜っ。今日もいい天気ですね。そ…いえば、昨日花月君たちが人間になって…って、なぁんだ。夢だったんですね。
あ〜、びっくりした。そーですよね。ペットが人になるなんてありえませんよね。昨日はやっぱり疲れてたんですね。もう少ししっかりしなくっちゃ。」
そう言って起き上がろうとする朔羅だったが、体が重い。
何かくっついている…?そう思って横をちらりと見る。
「ん〜?さくら…ぁ。も、朝なの…?」
「きゃっ!な、あ、ぁ、ゆっ、夢じゃなか…」
朔羅が見たもの。それは自分にぴったりと張り付くように眠っている花月の姿だった。
当の本人は悪びれた様子もなく、目をこすりこすり「おはよv」などと言っている。しかもあろうことかその腕は朔羅の腰にしっかりとまわされていた。
「かっ、花月くんっ!!いっ、いつからここに??」朔羅は驚きを隠せない。
「いつからって、昨日の夜からだけど?」さらりと言う花月。
「き、昨日の夜!?な、で、でもどうして…?」
「?僕、何か変なことした?いつもここに潜りこんで寝てるでしょ?朔羅の傍で寝るとあったかくて柔らかくってすごい気持ちいいんだよねvあ、でも今回はぎゅってできたから余計かな^^」
無邪気な笑顔に騙されそうになるが、成年男子が言うセリフではない。
“そ、そうでした。花月君は寒がりでいつもベットの中に潜り込んできてたんでした…”
日頃の彼?の行動を思い出して妙に納得してしまう朔羅。
だが、このままいるわけにもいかない。
「かっ、花月君っ。わ、わたし、朝ごはんの用意をしてきますから、その、離してくれませんか…?」
離してくれるかは五分五分だと思いながらも提案する。
「え〜。もっと一緒に居たいのになぁ。…すぐ戻ってくる?」
必殺上目づかいで少し拗ねたようにねだる。
ドキッ 
「も、もちろんです!用意できたら起こしに来ますから。」
“わ、わたし何ドキドキしてるんでしょう…。花月君はただ湯たんぽみたいな感覚で言ってるのに…”
心の中ではそう思いながら平然を装って何とか言葉を紡ぎ出す。
「ん〜、じゃあすぐに戻って来てよ?待ってるからねv」
にっこり極上の笑顔で送り出される。
「は、はい。できるだけ早く戻りますね。」朔羅はぱたぱたと廊下を駆けていった。
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