□ 生徒会室物語
□始まりのH
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『あんっ!あんっ!ああっ、そんな恥ずかしいところっ、駄目じゃ・・ああっ!!』
『姫っ!姫っっ!!』
映し出された画面には手込めにされる姫とその上におおい被さる忍者。
「な、な、な、な・・・・なんだこれはーーーーっ!!!」
「時代劇ものとは珍しいですね。しかも忍者とは!(なんてマニアックな)」
「そんな事を言っているのではない!これはなんだと言っている!」
椿の指さす所では開いた足の間で男が腰を激しく動かす姿。それを見て、再び椿の顔ところか耳まで真っ赤に染まる。
「アダルトビデオですね。わかってて見たんじゃないんですか?」
「知っていたら見るわけなかろう!!」
熱い主張の勢いのまま、バンっと両手で机を叩いた。
『あんっ!あんっ!』
『姫・・姫っ・・其、前々から姫の事が・・・!!』
『いつも・・あっ・・そなたの熱い視線に・・わらわも・・・あんっ!』
じぃ・・・と見ていた事にハッと気付き、椿がバンッっと、画面を閉じた。
「まったく誰のいたずらだ!」
怒りで顔が赤いのか、恥ずかしさで赤いのか、椿の顔は相変わらず真っ赤だ。
(かっ、なっ、なんてかわいらしいんですかっ!会長っ!!)
「会長、これを・・・。」
そんな椿の手元に希里がサッとペットボトルの水を差しだした。
「うむ・・すまない。」
ゴクッと椿の喉が上下し、冷たい水が喉を通り体内にしみこむ。
少し落ち着いたのかだいぶ赤みは取れてきたが、まだ耳と目元が赤かった。
そんな様子の椿を見て、希里が聞いた。
「会長はAVを見るのは初めてですか?」
「あ、当たり前だろう!まだ学生だぞ!?」
再び赤くなってしまった椿を見て、フルフルと希里がふるえる。
(なんという純粋さ!!なんというイノセントっぷり!!会長の後ろに処女にしか懐かないというユニコーンが見える!!)
希里の脳内では、ドドドドドドドドドッとユニコーンの群れが暴走していた。
うちふるえる希里の脳内など知るよしもない椿は「こんなものを見せてしまって悪かったな。」と言い、先程力任せに閉めたパソコンを正しくシャットダウンするべく画面を再びあけた。
「いえっ、べつにAVなんて珍しくもありませんし・・・それにとても参考になりました!」
「なんの参考だっ!!・・・・ん?珍しくないというのは・・・その・・、キリはああいうのをよく見るのか!?」
「はい、修行の一環で。」
「どういう修行だ!?」
思いもせぬ回答に思わず突っ込みが入る。
「いえ、女共を働かせるには色で釣るのが一番だと・・・。」
「・・・っっ!!」
「いえっ!会長っ、俺は、会長に対してそんな軽い気持ちではなく!!」
「どうしてそこにボクがでてくるんだ!?」
パタン。
そんなこんなのすったもんだでようやくパソコンの電源を落とした椿は、疲れた顔でため息をついた。