「リン、いる?」 「いるー!」 きた。 そわそわしながらリビングで待機していたリンは、部屋から出てきたマスターを期待に満ちた声音で迎える。 その様子を見てマスターは満足げに微笑んだ。 手に持っているのは、見慣れない譜面。 わあい!やったあ! ぱたぱたと駆け寄ると、にこりと笑ってリンに手渡してくれる。 「わあい新曲だー!マスター、ありが…あれ?」 タイトルは…どこに書いてあるんだろう? というか、あれえ?歌詞も書いてない? 「ん?マスター、これ…」 「ふふ。たまにはこういうのも良いでしょう?」 ハテナマークを浮かべながらもマスターを見上げると、彼女は楽しそうな目をしてリンを見つめた。 「たまにはリンが、歌詞を考えて?」 そう言ってマスターは笑ったのだ。 |