ああ、いた。 パーティー会場から外れたバルコニー。 珍しくリボンをしていないその頭をぱこんと叩くと、いったあい!という間抜けな声と共にこちらを振り向く。 「もうっビックリした!何なのよ、クオ兄!」 「お前こそ何してんだよ。デカリボン。」 「デカリボンじゃない!今日はリボンつけてないもん。」 「まあな。その髪型、結構可愛いじゃん。」 「へ!?」 クルクルと巻かれた髪を見つめながらそう言うと、リンは口をぽかんと開いて赤くなった。 なんだよその間抜け面。珍しく人が褒めてやったのに。 なぜかリンがそっぽを向いてしまったので、とりあえず隣に腰掛ける。 しばらくするといくらか落ち着いたのか、リンがやっと口を開いた。 「で、どうしたの?クオ兄。」 「んー?そういえばデカリボンさんからプレゼント頂いてないなあと思いまして?」 「…っ!」 そう。今日はミクの誕生日パーティー。 もちろん俺の誕生日でもあるので、今日のもう一人の主役は俺ってわけ。 片手を突き出して笑ってみせると、リンは肩をビクリと震わせた。 さっきまで真っ赤だったその顔が今度は真っ青に染まる。 …え?まさかまさか。 |