かぷ

□幸せな未来を誓おう
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『お誕生日、おめでとう!』


たくさんの祝福の言葉と共に、たくさんのプレゼントが私の近くに溜まっていく。
去年は家でやったから今年は盛大に祝おう!というマスターの案で、私の誕生会は思っていたよりずっと豪華なものになった。

カイト兄やめーちゃん達はもちろん、ファンの人まで集めた結果、参加人数は膨れ上がり。
貸し切った広い広い会場が人に溢れる程集まってくれたのだ。

やっぱり嬉しい。
祝ってくれる人が多いのは、幸せな証拠だ。

それに。


「へへへ。」


着慣れないサラサラとした素材のドレス。
周りの人も皆着飾っていて。
なんというか、なんだか。
大人の階段を登った気分!

これでお酒を飲めば完璧に大人の女、とか思ったのだけれど、それはさすがにめーちゃんに止められてしまった。
全く、自分はあんなに酔っ払っちゃってるくせにね。


「あっあのっ!ミクちゃん!」
「ん?」
「これ、プレゼントです!あたし、本当にミクちゃんの大ファンで…」


ふいに名前を呼ばれ振り向くと、真っ赤な顔の女の子。手には可愛らしく包装された袋。
本日何十回目の光景なのに、やっぱり何だかどぎまぎしてしまう。

こ、こんなにたくさんプレゼント貰って良いのかな…
会場も飾り付けもマスター達がやってくれたし。私も何か用意した方が良かったのかも。
そう少し罪悪感を感じながらも、私を見るキラキラとした瞳に心がほわっと温かくなった。


「ありがとう。とっっても嬉しい!」
「っ!」


小さな頭を撫でながら笑いかけると、女の子は真っ赤な顔で目を見開いたまま固まってしまった。
ふふ、かわいい!
ふるふると小さく奮えながら、彼女は私をジッと見つめる。
キラキラした、綺麗な瞳。


「あ、あたしっ!絶対大きくなったらミクちゃんみたいなアイドルになりたい!」


満面な笑顔でそう言われた。
胸の中からじんわりと何かが溢れて、思わず泣きそうになってしまう。
だめだめ、今は泣いちゃだめ。

心からの感謝を込めて、私は言った。
小さな未来の歌姫に。


「うん、待ってる!ありがとう!」


走り去ってく女の子に手を振りながら、ふうっと息をついて座り直す。
やばい。にやけがとまらない。

緩む頬を抑えていたら、後ろから肩を叩かれた。
振り向くと…ああっもう!ますますにやけてしまうじゃない!


「お誕生日おめでとうございます、ミクさん。」


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