かぷ

□君に一番の愛を
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深夜、静かな部屋の中で、ペンを走らせる。
明日は試験なのだ。

まぁ、そんなことも気にせずにリンは寝てしまったけれど。


「ったくリンのやつ。なにがヤマカンだよ、後で泣きついても知らないからな…」


(リンちゃんのカンをなめんなよ!おやすみー!)


笑いながら寝室に走っていった、自分と良く似た顔。

万年再試のリンなのに、何で学ばないんだ。
といっても、英単語を綴り続ける作業にもさすがに疲れてきた。


「ねむい…でも後3ページ…」


時刻は既に午前2時。眠い。
ただでさえ毎日忙しいのに。
歌の仕事に、毎日学校行って勉強して。
あとは、リンの面倒みたりリンの宿題手伝ったりリンの忘れ物持ってきたり…。

とっくのとうにスヤスヤと寝たあいつに軽い憎しみを覚えながらも、痛む手を動かした。

「レンくん???」
「え!?」


ふいに後ろから予想外の声がする。
振り向くと、エプロン姿のミク姉がドアをちょこっと開けておずおずと立っていた。


「ミク姉!?」


驚いてそう言うと、ミク姉はホッとした表情で笑い、ぱたぱたと部屋に入る。


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