ショート

生きるということ
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私が腐川さん達と一緒に『レジスタンス』と合流してから、数週間が経とうとしていた。

もう数週間なのか、まだ数週間なのか──そんなの考えるだけ無意味なのは分かってる。
もうこの世界じゃ、時間の概念すらとっくの昔に無くなってしまっていたから。

これはただの夢で、明日起きたら、またいつもの平和な日常に戻れる…って。
そんな事をずっと、何度も何度も何度も思い願っていた時期もあったけど、やっぱり無駄だった。

最近は、目を開けると薄汚れた天井がすぐ視界に入ってきて、少し埃っぽいベッドの上で目を覚ます毎日が続いている。
年頃の女の子には劣悪な環境な事この上ないけれど、それでも安心して身を隠せる場所と寝床があるだけマシだ。
だからそういう場を提供してくれたレジスタンスリーダーの灰慈さんには、感謝している。

でも状況が状況だし、ただお世話になりっぱなしという訳にもいかない。
曲がりなりにも今の私はレジスタンスの一員。少しでもこの組織の役に立てる事をしなくちゃ。


──そうして、今。
私は腐川さんと共に、とある任務についていた。


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