ショート

希望に満ち溢れた絶望
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江ノ島「えー?? …えへへ、やだなあきよたんったらぁ。誉めても何にも出ないゾ!」

石丸 「…いや、何も誉めたつもりではないのだが…。まさか他人だけでなく、自分をも絶望に突き落とすためにあそこまでするとはな。……僕には理解不能だ。いや、よもや理解出来るとか出来ないとか、そういった概念で語れるようなものではないのだろうな。君の中に渦巻いている『絶望』というヤツは…」

江ノ島「べっつにアンタに分かってもらえなくたって、アタシは、アタシによる、アタシのためのやり方で絶望するから構いませんよ的な? つーかさ、下巻でのめくるめく超展開は凄かったわよね! 最高級の絶望を味わえたもの! 流石は私様ッ!!」

石丸 「…しかし、色々と謎も残っている。やはり一番の疑問は、『カムクライズル』とは一体何者なのか? という点だが…」

江ノ島「まあカムクラの正体が明かされるとしたら、ダンガン2で…って事になるんじゃないの?」

石丸 「ふむ、そうか…。…あ、そ、それでだ。江ノ島くん…」

江ノ島「え?」

石丸 「君は、その…。今でも、彼の事が、…好きなのか?」

江ノ島「は? 彼って、誰の事よ?」

石丸 「だ、だから…! 君の幼なじみで、かつて『超高校級の神経学者』と呼ばれていた、君が最後あんな目に遭わせてしまった彼の事だよ! …やはり、君は今でも…」

江ノ島「……アンタ、小説最後まで読んだんでしょ? だったら、それくらい分かるわよね? 分かって当然よね??」

石丸 「………。やはり、そうか。すまない、愚問だったな。ははは……」

江ノ島「…………」

石丸 「……今、僕の胸がズキリと痛んだような気がした。……これが君の言う『絶望』…なんだろうな」

江ノ島「…………」

石丸 「……ッ! な、何を言っているんだろうな…僕は? 君と同じ時間を過ごすうち、僕にも絶望する癖がついてしまったのだろうか…」

江ノ島「……………」


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