ショート

希望に満ち溢れた絶望
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江ノ島「はあ…てかさ、あれからもう一年以上経ったのね。時間経つの超マッハで早くね?」

石丸 「ふむ、そうだな。…しかし去年一年間は、僕達にとって非常に充実したものとなったな」

江ノ島「まあねー。色々慌ただしかったのは事実よね。超高校級の限定BOXにファンブック、四コマ漫画、ラジオやドラマCD…。あ、そういやアンタって、アンソロの表紙ではメインだったわよね」

石丸 「ああ。兄弟や苗木くん、葉隠くん、山田くん…そしてラジオでの人気投票最下位の桑田くんには悪いが、人気投票四位の僕が表紙メインを飾らせてもらったぞ!」

江ノ島「…アンタってさ、ホント無自覚で悪気はないけど、物凄く人を傷付けるイヤミ言うの得意よねー。イヤミの天才よねー」

石丸「ああいった仕事は初めてだったが、良い経験をさせてもらったよ。滅多に味わえない事だからな」

江ノ島「つーか人の話聞いちゃいねーし! ムカつき度MAXだぜ! …てかさぁ、あのさらしに学ラン姿は色んな意味で衝撃的だった訳だけども…もしかして、アンタって普段からあんな格好してるワケ?」

石丸 「ん? …はは、まさか! あれは特別仕様、いわゆる『撮影用』というやつさ。普段は制服の下にはちゃんとYシャツを着ているぞ!」

江ノ島「へえー…。はあ…そうだったんだぁ…」

石丸 「な、何だ? 何を一人で納得しているのだ?」

江ノ島「いえ、納得じゃなくて…絶望、です…。……あなたって…そんなヒトだったんですね…。なんだか…とっても…。とっても悲しい…です…」

石丸 「…な、何がだ? 何が悲しいのだね?」

江ノ島「だってさ、仕事だからって理由で、そんな簡単にホイホイ服脱いじゃうなんて…アタシ信じらんない! 他の女の前でも同じ事してんでしょ? そうなんでしょ??」

石丸 「は…?? い、一体何を言ってるんだ君は…?」

江ノ島「…あ! さては金ね!? 自分ん家がお祖父さんの残した借金で苦しんでるからって、大量のギャラに目が眩んであんな事したんでしょ!? ……てゆーか、そもそもアタシに近づいたのだって、このむっちむちでピッチピチのナイスバディに掛けられた破格の保険金が目当てだったのね?? そうなのね!?」

石丸 「はあ……。君の冗談にはほとほと付き合いきれん。いい加減に疲れるぞ…」

江ノ島「は? それ、アンタが言いますか? 言っちゃいますか?」


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