ショート

希望に満ち溢れた絶望
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石丸 「こちらをご覧の皆様方、遅ればせながら明けましておめでとうッ! アハッピーニューイヤーだぞ!」

江ノ島「あけおめー。ことよろー」

石丸 「あ、あけ…? こと、よろ…?? 江ノ島くん、何だねそれは? 何かの呪文の言葉か?」

江ノ島「はあ? 『明けましておめでとう。今年も宜しく』の略に決まってんでしょうが。…アンタ、こんな事も知らないの? 今時常識だっつーの!」

石丸 「…な、何という事だ…。今時の若者は、何故こうも何でもかんでも略して言いたがるのだ…? 日本語本来の美しさというものを全く理解していない…。ああッ、嘆かわしい…ッ! これでは日本の将来が思いやられるぞ!」

江ノ島「…あーもう、新年早々ホント面倒臭いわねアンタ。つーかアンタもさ、一応今時の若者の一員なんですけど?」

石丸 「何を言うか!? 君のような乱れた日本語を使う輩と一緒にしないでくれたまえ! …いや、言葉だけではない。その服装や髪型、いかなるものにおいて君は乱れているッ! 『ザ・乱れ女』だ!!」

江ノ島「………。ひ、ひどい…。そ、そんな…っ。そこまで言わなくたって…」

石丸 「……え?」

江ノ島「…ひ、ひどいよ…。ひっく、い、石丸の、バカぁ…。ぐずっ…」

石丸 「あ…! す、すまない…。僕が悪かった…」

江ノ島「…うっく…、ひぇっく、ずびびび…っ」

石丸 「今のは確かに言い過ぎだったな。…軽率な発言をしてしまった事、反省している。この通りだ。……だから、もう泣かないでくれ。僕は、君の泣き顔を見たかった訳では…」

江ノ島「そういやさー、去年は発売一周年って事で、色々あったわよね!」

石丸 「……な、何という立ち直りの早さ…! まさか、今のは嘘泣きだったのかッ!?」

江ノ島「うるせーな、人聞きのワリー事言うんじゃねーよ!! 飽きたんだよ! オレは泣くのに飽きたんだよッ!!」

石丸 「……君の飽きっぽさは、本当に天下一品だな」


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