ショート

Welcome to my room
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──ここは希望ヶ峰学園、寄宿舎棟。
『超高校級』と呼ばれる生徒達の個室がそれぞれ建ち並ぶ、いわばプライベートな空間でもある。

時刻は既に夜の11時を回っており、少し前まで生徒達の往来が激しかった棟内も今現在は静寂に包まれていた。



「もう、こんな時間か…」


シャープペンで文字を書く手を止め、自らの腕時計を見ながら石丸清多夏が呟いた。

『学生の本分は勉強』を体現したような彼は、今の時間も勿論勉学に精を出していた。
自室の中でも制服を着崩す事なくかっちりとした様は、まさに彼の生真面目な性格を表している。

夜更かしは明日に響くし、そろそろ寝なくては──石丸がそう思った矢先だった。


──ピンポーン…


突然、部屋のインターホンが鳴り響く。


「………」


すると石丸は別段驚く様子もなくすっと立ち上がり、扉の方へ歩き出した。
彼のその行動は、あたかも来訪者が誰なのか知っているかのような素振りだ。

そして、ドアを開けるとそこに居たのは……。


「あーんもうッ! 寂しかったあー!」
「…うわッ!?」


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