ロング

カモミール・キャンディ
1ページ/14ページ


「でさー、その時アイツが…ってワケだよ!」
「うわ、マジかよ? 超あり得ねーし!」
「そこの君達、待ちたまえッ!!」
「…ん?」
「…あ?」
「『超あり得ない』のは君達だ! 君達の服装だッ!!」
「……んげっ!!」
「やべっ!! …アイツ、石丸だ。風紀委員顧問の石丸だぜ!!」


背後から声を掛けられた二人の男子生徒は、振り向きざま僕の顔を見るなり『まずい』というような顔をした。

…という事は、やはり当人達にも後ろめたさがあるという事か。
分かっているなら、何故直そうと思わないのだろうか。


「何だね、君達のそのだらしない服装はッ!? ネクタイはちゃんと首近くできっちりと締めたまえ! あと、ズボンは腰で穿く物ではない! それから、漫画にでも登場するようなその滑稽な髪型や眉毛は一体何なんだ!? 学生なら学生らしく、きちんとするようにッ!!」
「…滑稽な髪型と眉毛は、お互い様だろ…」
「……だよな」
「…ん? 君達、今何か言ったかね?」


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ