ロング

Orange Love Story
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「あ…、が、眼蛇夢君…」


ベッドにゆっくりと身体を埋め、罪木蜜柑は呟いた。
その瞳は快感に酔いしれ潤みつつも、その反面これから行われる行為に対する恥じらい、恐怖心をも滲ませている。


「大丈夫だ。何も恐れる事はない」


そんな罪木に覆い被さるような体勢になり、田中眼蛇夢が彼女に囁く。


「うう…。でもぉ…私、こんな事初めてで…」
「心配するな、罪木。…お前はただこの密やかで甘美な調べに、身を委ねていれば良い」
「ん…。は、はい…」


不安げな表情の彼女を少しでも落ち着かせるよう、田中は罪木の髪の毛を梳きながらそう話した。
そしてそんな彼の思いを汲んだのか、罪木は戸惑いつつも田中の言葉を受け入れる。


「罪木……」
「眼蛇夢君…。…ん…っ」


田中は罪木の唇に自らの唇を重ねた。
その口付けは少々荒々しく繊細さには欠けるものの、狂おしいほどに貪欲で情熱的だ。

互いを深く求めようとする二つの唇は更に熱を増し、二人をどこまでもふしだらにさせていく。


「んんっ…ぁ…。眼、蛇夢…くぅん……」
「…は……っ。つ、罪木……」
「わ、わたし、もう…ダメ、ですぅ…。体がヘンに…なってきちゃって…」
「ああ、俺も…もう、限界のようだ…」
「眼蛇夢くん……」
「…罪木……」


互いの名を呼び合い、二人は再び唇を重ねた。

それを引き金にするかのように、二人の長い夜は幕を開けたのだった。


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