夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「お帰り夕凪」

愛しい声が聞こえたと思ったら、私はギュッと抱きしめられた。
もう二度と感じられないと覚悟した待ち望んでいた心地いい温もりに、視線を上げるとそこには私だけの笑顔が飛び込んでくる。
嬉しくて、涙が止まらない。

この笑顔も私はずっーと待ち望んでいた。
この人さえいれば、私はもう何もいらないし欲しくない。

「・・・逢いたかったです」
「夕凪、一体どうしたの?様子がおかし・・・痩せた?」

いち早く私の異変に気づいた帯刀さんは涙が止まらない私を心配してくれ理由を問われるけれど、落ち着いて理由が話せる心境ではない私は何も答えず帯刀さんの胸元で泣き続ける。
久しぶりなのだから、しばらくこうしてても罰はあたらないだろう。

「淋しかったんだね。私も夕凪と逢えなくて淋しかった。だからいいよね?」
「・・・はい。帯刀さんが望むのなら、私は構いません。私は帯刀さんだけの物だから・・・」
「よく分かってるね。そう夕凪は私だけの物。だから心配しなくてもいい」

帯刀さんも私をよほど恋しがっていたらしくそれは必然的に始まろうとしていて、私もそれを早く欲しいため誘惑してしまい一気に加速する。
帯がほどかれあっと言う間に素肌が晒され、布団に寝かされまずは深くて甘いディープキス。

「夕凪、愛してる」

そして耳元で愛を囁かれその後、胸を揉まれ私の理性は失われていく。
気持ちよくて幸せ過ぎて、まだこんなの序の口なのにもう私の心は満ちている。

これ以上をやって欲しいのに、この調子じゃ身が持たないかも知れない。
久しぶりだから、仕方がない?
だとしたらこれ以上は・・・

「帯刀さん、やっぱり今日はこのぐらいに」
「何言ってるのこんなのまだ序の口でしょ?体だって私を欲しがってる」
「それはそうですけれど。でも久しぶりだか・・・ッツ!!」

ブレーキはすでに止められレないのか冗談と取られ、訳を話してる途中に刺激が走り言葉が中断して頭の中が真っ白になっていく。

確かに体はもの凄く帯刀さんが欲しい。
でもでも。

「・・・仕方がないね。今はこのぐらいにしといてあげる。このぐらいならいいでしょ?」
「・・・はい。帯刀さんも早く脱いで下さい。・・・見たい・・・」
「まったくまたそうやって、私を誘惑する。夕凪は私にどうして欲しいの?」
「素肌を晒し合って、息も出来ないぐらい抱きしめて欲しいです。愛をもっと確かめ合いたい」
「本当に夕凪は、わがままだね。それは矛盾・・・でもいいよ。そうしてあげる」

言って自分でも滅茶苦茶矛盾を言いまくっているのがよく分かるのに、帯刀さんは呆れつつもそんな望みをすべて叶えてくれる。



「帯刀さん、私帯刀さんの子供が欲しいです」
「そうだね。そろそろ子作りも励んだ方が良いね」

幸せに満ち溢れている中ようやく落ち着いた私はついに心に決めた想いを要求すると、帯刀さんは反対することもなく優しい笑顔で聞き入れてくれる。

やっぱりこの前の拒否は私を気遣ってくれただけで、本当は私が決意するのをずっーと待っていてくれていたんだ。
本当は子供が欲しかった・・・そう言う行為をしたくてたまらなかったんだろうな。

・・・待たせて、ごめんね。帯刀さん。

「私帯刀さん似の可愛い息子が欲しいです」
「私は夕凪のように、元気で明るい子が欲しいね。顔や頭まで似られたら困るけれど」
「ひどい。それどう言う意味ですか?」

以前は返って来なかった受け答えが今度はちゃんと返ってきて、少々痛い言葉だったけれどもそれでも嬉しかった。
それにそう言いながらも帯刀さんの目は笑っているから、冗談で言っているんだと思う。
だから私も軽く怒るだけで、私達は笑い合った。



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