夢幻なる絆

□2.高嶺の花
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あの不思議な夢からあっという間に一ヶ月が過ぎようとして、当たり前だけど再び似たような夢を見ることなくなった。
私は夢なのに内容をはっきり覚えていたからあの夢を小説に書いたぐらいで、時間が経つに連れて気にすることもなくなりだんだん私の記憶から薄れていった。



「今日も疲れた・・・」

睡魔と戦いどうにか帰宅した私は、そのまま何もせずベッドにダイビング。
この数日蔵書点検と言う地獄の作業を行っているため、ありえない程忙しく残業が続いている。

しかも私の担当している歴史はただ今歴史ブームで、毎回本の数は増える一方。
歴女としては嬉しい限りだけれど、こう言う時は勘弁して欲しい。
それにマナーが悪い人がいるから、余計な仕事も増えるんだよね。

とにかく私の体力は本気で限界に近づいていて、今夜はお風呂場入らないでこのまま寝おちするかもしれない。
明日は待ち焦がれていた休日、昼過ぎまで寝ていても誰も文句は言われない。

「着替えるの面倒くさい・・・だけどせめて・・・」

最早動く気力も残っておらずそう言いつつも、重いまぶたがついに塞がり即効夢の扉が開かれる。


・・・が


私は一ヶ月前と同じ落ちる違和感を感じ、目を開けると目の前はやっぱり見覚えのある池。

「ミャ〜ン」

池の近くには見覚えのある三毛猫がちょこんと座って愛らしく鳴いている。
三毛猫の隣にはこちらも見に覚えがある男性。

帯刀さん・・・?

バジャ


「・・・凪くん?」
「・・・?なんだまたあの夢かおやすみなさい」

驚きを隠せず目を丸くして私を見つめる帯刀さんには悪いが、ずぶ濡れの私は現状を理解してその場で再び眠りにつく。

夢であっても眠たいのは変わらない。
夢だからびしょ濡れで寝ても、風邪なんてひかないだろう。

だけどなんで、こんなに冷たいの?


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