夢幻なる絆

□1.出会い
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「誰か助けて、キャァ〜」


ドテッ


怨霊退治の仕方なんか分からない私は逃げながら助けを呼ぶが、木の根っこに躓きど派手に転ぶ。
仔猫ちゃんはぎりぎりセーフで守れた物の、両膝とか擦りむき痛みだす。

こんな時にドジっ子属性が発生するなんて最悪過ぎる。
そう私はありえないほどドジで、時より漫画のようなドジをかます。

二次元のドジっ子は萌えるけれど、リアルのドジっ子はウザいとしか言いようがないんだよね。

「やだ私こんな所で、死にたくない。周りから見れば人生終わっているかも知れないけれど、私にとってはまだまだ終わってないんだよ」
「ニャン、ニャン、ニャン」

怨霊相手に必死になって命乞いを仔猫ちゃんと叫んでみるが、やっぱり怨霊には感情同情する余地もなく持っていた刀を抜く。


「イヤ〜!!」


ズバッ


最後の最後にけたたましい悲鳴を上げると、怨霊はなぜか真っ二つに切り裂かれ消え去り変わりに薙刀らしき武器を持った帯刀さんが現れる。

真顔の中に焦りがあって、いつもの帯刀さんと違う。

まさか私のこと心配してくれた?

「凪くん、大丈夫?」
「・・・え、はい。こ怖かった」

帯刀さんの声を聞くなり緊張の糸がほつれたらしく、涙が一気に溢れだし子供のように大声で泣いてしまった。

怖かったもんじゃない。
死の恐怖を初めて感じ、死ぬかと本気で思った。

帯刀さんにまた命を救われた・・・。

「君は、子供なの?でも無事で本当に良かった」
「帯刀さん、ありがとうございます」

いつものように呆れきってため息交じりで嫌みを囁かれるけど、私をそっと抱きしめ背中をさする。
冷静さを失っている私はときめく訳でもなく、帯刀さんの胸元で余計に涙が溢れ止まらない。

そんな私を帯刀さんは突っぱねることなく、落ち着くまでずっーとこうして傍にいてくれる。

今の帯刀さんは優しくて明日これを逆手に取って何か言われそうだけれど、それでも私にとってはすごく心の支えになって安心ができた。



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