夢幻なる絆
□9.白龍の神子の娘
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「またやっちゃった・・・」
目が覚めると薄明かりが射し込んでいて、隣には帯刀さんがスヤスヤと眠っている。
大広間を出た記憶があっても寝室に戻って来た記憶がないことからして、どうやら私は途中で寝てしまったらしい。
あれだけ帯刀さんを誘惑した癖して、私はなんて言う失態をしてしまったのだろう?
これで一体何回目?
せっかくこれで私が優位になれたのに、これではまた帯刀さんにお仕置きされる。
また筆プレイ?
それだけは絶対勘弁して欲しいから、今のうちに処分・・・いいこと思いついた。
もう二度としないように、同じことをやり返そう。
そう思い机の上に置いてある筆を持ってきて、まずは軽く帯刀さんの頬をなぜて更に
「あなた朝ですよ」
耳元で出来るだけ甘く囁き、そっと吐息をかける。
「後少しだけ・・・」
熟睡らしく特にそれには反応することもなく、ほとんど意思のない反応をするだけだった。
少し妻として自信をなくすけれど、私はめげることなく次なる段階へ。
これなら効果抜群だろう喉仏をなぜながら徐々に胸元へと移動させるのだが、やっているうちに私が帯刀さんを欲しくなる。
帯刀さんの可愛くもありセクシーな寝顔が愛しくて仕方がない。
この人は私だけのたった一人の人。
「帯刀さん、おはようございます」
我慢できなくなった私は、筆を放り投げそう言い唇を重なり合わせる。
私には筆プレイなんて、やっぱり無理でした。
するとようやく帯刀さんは目を覚まし、私を抱き寄せ再び口付け。
「おはよう、夕凪。今朝は早起きだね」
「はい。妻の役目が出来ましたよ」
「そうだね。あれだけ寝れば当然だけれど」
胸を張り言ってみれば、皮肉をさらりと言い返され言葉をなくす。
外見では怒ってないように見えるけれど、きっと確実に怒っている。
「でもまぁ昨夜は全面的に私が悪かったから、今回は水に流すよ」
「ありがとうございます。帯刀さん大好きです」
なんて思っていたら、意外にあっさり水に流してくれて一件落着。
嬉しさのあまり本日三度目の口付けはディープキスになり、私達は朝っぱら愛を確かめ合い徐々に激しくなっていく。
「夕凪、愛してる。昨日は本当にすまなかった。でも私はああ言ってくれて嬉しかった」
「え?」
「帯刀さん以外の物は入れたくない。そうだね。ここは私だけが入れていい大切な場所」
って言って帯刀さんは早速指を入れてくる。
それだけで快楽が私を襲い、昨夜はなんとか我慢できた蜜が噴射された。
私朝からイッちゃう。
でも相手は帯刀さんだから、問題はない。
「たてわき・・・あっ!」
「そんなに私が欲しいの?もう朝なんだよ」
ここまでやっておいて何を今更言う問いに、私は無言で激しく頷けば帯刀さんはニヤリと笑う。
どうやらお望みの答えだったらしい。
そりゃそうだよね?
昨夜は御預けにされたんだから、私と一緒でたまっているはず。
「本当に私の妻は困ったものだね。でも私も同じで、そんな愛しい妻が欲しくてたまらない」
予想通りの答えが返ってきて、穢れた私の願いを叶えてくれる。