夢幻なる絆

□9.白龍の神子の娘
2ページ/36ページ


もしも何か一つを犠牲にしないといけないとしたら、あなたは何を犠牲にしますか?
自分の命?
最愛の人?
世界の未来?
それともすべて?








燭龍

遙か5の続編である風花記のラスボスだと言うことが判明。
雪ちゃんから遙か5は全クリ必須と言われたためやっと全クリして、今日は休みなのでサクサク片付けようとやっていると雪ちゃんが遊びにやって来た。



「お義姉さん、大丈夫ですか?」
「うん、もう大丈夫。心配掛けてごめんね」


と雪ちゃんは私のことを親身に心配してくれ、私は明るく振る舞いながらお茶と安道名津を出す。

この世界に戻って来たあの日私の精神状態はボロボロで、二人には相当迷惑を掛けてしまった。
二日間職場を休み一週間ぐらいは何もやる気が起きなくて、この数日ようやくいつもの生活に戻せた。
それでもまだたまに寂しさに押し潰されてしまう。

帯刀さんも同じ想いだろうね?
無理して仕事に没頭してないかな?
寂しさを紛らわすには忙しいのが一番いいって言ってたけれど、体には絶対に良くないと思う。

「ありがとうございます。これお義姉さんの手作りですか?」
「うん、そうだよ。向こうの友人から教えてもらって、帯刀さんの休憩時に出してるんだ」
「え、小松さんって甘いのが苦手じゃないの?」
「え、うそ?」

ちょっとだけ得意気になってそう言ってみると、雪ちゃんは首をかしげて新事実を呟いた。
私の知らなかったこと。

帯刀さんは甘いのが苦手?
そんなこと知らなかったから、今まで沢山甘味物を食べさせていた。
確かに食べるのは少しだけで後は私にくれていたけれど、今まで一度も苦手だなんて言ったことはない。
そんなことを言わなくても、私に気づいて欲しかった?
なのに私は・・・

「そう言えばお義姉さん、風花記はどこまで進みましたか?」

気まずさを悟ったのか雪ちゃんは、ひきつった笑みを浮かべ話題を大きく変え問う。
妊婦である雪ちゃんに、変な気を使わしてしまった 。
そう言うのは胎児に良くないって言うのに、私ってやっぱり馬鹿だね。

「あ、ごめん。ノーマルEDは迎えたよ」
「そうですか」

だからこれ以上気を使わせたくなくって、私は笑顔を作り話にあわせる。
もう後ろ向きなことを考えるのは、出来るだけ辞めよう。
元気で明るいだけが私の取り柄なんだから、気が乗らなくても前進しなくっちゃ。

「取り敢えずマコトが助かりそうな可能性が出てきてよかったよ。もうチナミちゃんは私達との約束なんて覚えてないけれど、それでも私はマコト助けたい」
「だったらチナミルートを最初に・・・お義姉さんになら助けられそうですね?」

無印だと助ける見込みがまったくなかったマコトが、風花記だとその辺のことが詳しく取り上げられていた。
ゆきには可愛そうにも助けられなかったけれど、私にならマコトだけじゃなくもっと多くの人を助けられるかも知れない。
なぜなら私にはクロちゃんと言う強い味方がいるから、あそこで雨を降らせれば問題はすべて解決。
雪ちゃんもそれに気づいたから、助言するのを辞めそう言って微笑む。

「任せてよ!今は龍馬を攻略中なんだ。親友としてはゆきとうまく行って欲しいんだ。同時にアーネストも攻略してるんだけれど、アーネストの好きな人ってあの夫人なのかな?」
「え?」
「なんかアーネストって既婚者に片想いしてる見たいなんだよね」

ゲームの今の状況を伝えながらフッと思い出したアーネストのことを相談すると、雪ちゃんは意外そうに驚き訳を話しても納得いかないご様子だった。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ