夢幻なる絆

□8.闘いの仕方
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「・・・何あれ?」

気絶してる龍馬を残し外に飛び出し辺りを見渡せば、空にはとんでもない邪気を放った見たこともないモンスターが浮かんでいた。

ゲームだと四凶復活なのにあんなの私知らない。
隠しボス?
それともオリジナル?

「夕凪もあれを知らない見たいだね?」
「はい。でも敵だと言うことは確かです」
「だろうね」
「あれは燭龍だ。まさかこんなことになろうとは・・・」

私と帯刀さんの会話シロちゃんは入ってきて教えてくれるけれど、様子がおかしくて神様なのに怯えているように見える。
それくらいに状況が緊迫してると言うことだろう。

まさか私がいることによって、ゲームとは異なる物語が始まろうとしているとか?

「燭龍?それは一体何?全員が納得できるよう説明しなさい」
「時空を行き来出来る巨大なまがつ神。奴は時空を超えて様々な世界の五行を喰らい存在している。燭龍復活することで二つの世界が融合され、合わせ世になって行くのかも知れない」
「そう。ならあれを倒せばめでたしめでたしなんだね?」
「まぁそう言うことになりますね・・・」

小さな明るい希望で喜ぶべき内容なのに、シュウちゃんは浮かない表情のまま歯切れの悪い答えだった。
そのぐらい最悪最強なラスボスで流石に今は倒せないとは分かってはいるけれど、もしかしたらそのうち策を考え倒せるチャンスがあるのかも知れない。

「本当にあれを倒す気でいるのか?」
「それしか方法はないのでしょ?」
「確かにあれが復活したことによって、アーネスト達の世界は怨霊がさらにはびこるだろう。だが私達の力で融合の時を百年ぐらいは遅らせることができる」
「ですから今一度慎重に考えてはくれないでしょうか?」
「それは魅力的な提案だね。どうする夕凪?」
「・・・・・・」

あれだけ威勢のいいことを思っていたのに、迷いが生じてしまい分からなくなってしまった。
怨霊が多くなると言っても百年もあれば、私と帯刀さんは一生をおくれる。
シロちゃん達が言うように、この件から手を引くのが一番良いんだと思う。

私の望みは帯刀さんと寄り添い逢いながら幸せに暮らすことだから。

でもそれは何も解決してないんだよね。
異世界は後たった百年で滅びてしまう。
今まで積み重ねてきた歴史も、生命もすべて・・・。
それにまだ南方先生が異世界の未来から来た可能性がある以上、南方先生の存在その物が消えてしまう。
目先の幸せをばかり優先するのは私の十八番だけれど、今回も本当にそれで良いの?
私は後悔しない?

「凪さん、あなたがそんなに悩まなくても、それは龍神の神子であるゆきさんに任せれば良いと思いますよ」
「何アーネスト他人事のように言ってんだ?確かに凪と帯刀には関係のないことかも知れないが、俺達八葉も十分関わってくることなんだぞ?」
「私はまだゆきさんの八葉になるとは言っていません。ねぇクロ、私も代役を立ててはいだだけないでしょうか?」
「え?」

私にアーネストは無責任になことを言いだし龍馬は突っ込むけれど、白々しくそう言ってクロちゃんに問う。
八葉になることに前向きだったはずのアーネストがまさかそんなことを言うとは思わなくって、私は驚きアーネストの顔をマジマジと見つめてしまった。
それは私だけではなく、みんなも同じ。




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