夢幻なる絆

□8.闘いの仕方
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「I come out to a slight degree, and get a doctor to have a look Please do your best till then. 」(後もう少しで、医者に診てもらえます。それまで頑張って下さい)
「I'm sorry. Ernest」(すまない。アーネスト)

やっぱりその声は思っていた通りアーネストで、アーネストの他にも誰かが一緒にいるらしい。
その人は声からして苦しそうで、早く南方先生に見てもらう必要がありそうだ。

「・・・っ!!Someone is come here calmly」(静かに誰かこちらにやってきます)
「アーネスト警戒しないで、私だよ」
「え、小松婦人に、小松さん?それからDr.南方まで?」

人一倍警戒しているのかアーネストは私達の気配に気づいたアーネストはもう一人を連れ隠れようとする所で、私は安心させるため声を出し急いで二人の目の前に飛び出した。
するとアーネストは驚き私達の名を呟き、信じられないという様子で見つめている。
そう思っても無理もないだろう。
私は知っていたけれども、アーネストは予想もしてないんだから。

「良かった。ここで会えて」
「私もあなた達に出会えて良かったです。Dr.南方。この人を見てもらえませんでしょうか?逃げる途中怪我をしてしまったのです」

私とは違った意味で我に返り再会を喜び、南方先生にお願いをする。
今は何よりもそれが一番の優先事項だってことは私にも分かっているから、それ以上の話は後で話すことにした。

「もちろんです。Since I am a doctor, please show me an injured place. 」(私は医者なので、怪我をしている所を見せて下さい。)
「I understand. Does a Dr. understand our words? 」(分かりました。先生は私達の言葉が分かるのですね。)
「Yes, it understands. Which neighborhood is painful at what kind of touch? 」(ええ、分かりますよ。どの辺がどんな感じで痛いですか?)

たちまち南方先生は医師の顔になり、淡々と英語で怪我人に語り始める。
最初警戒していた怪我人は、心を開き次第に熱心に語り出す。
何を言っているのかまったく分からなくても、こう言うのを見ているとなんだか嬉しくなってしまう。
やっぱり外人って言っても、元は私達と同じ人間。
占領する意志さえ持ってなければ、話し合うことでちゃんとわかり合える。
だから今は戦うことよりも、まずは話し合いが必要なんだ。

「夕凪、やけに嬉しそうだね?」
「はい。人類皆兄弟だなと思って。早くここの人達もそう言うことに気づいて欲しいです」
「そうだね。私もそう思うよ。今私達がやらなきゃいけないことは国際交流であって、外国から日本を護ることではないからね」
「帯刀さんは、ちゃんと分かってくれてるから嬉しいです」

私の思っていることをちゃんと理解してくれる帯刀さんに、私はますます嬉しくなってニコニコとなる。

こういう人がいるからこそ、これからの日本は劇的に変わっていく。
それを間近で見ることが出来るなんて、私はなんて幸福な人間なんだろうね。
私には何も出来ないから、せめて見届けることぐらいはしよう。



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