夢幻なる絆

□8.闘いの仕方
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「あなたは誰?どうして小松さん達と一緒にいるの?」
「え?」
「お嬢、何言ってんだ?こいつは凪じゃないか?」

玄関先には丁度ゆき達四人がいたけれどなんか様子がおかしくて、まるで私を知らないような驚きの視線を向けられ問われる。
確かに私は散々敵対して顔を見たくないほど嫌われているのは分かっているけれど、まさかそんな反応されるとは思わなかった。
しかも結構演技が上手く龍馬にも鵜呑みにして、目をまん丸くし私の背中を押しそう言う。
だがゆきだけではなく都と駿までキョトンとして私を不思議げに見つめられる。

「・・・凪さん?・・・ねぇ都、駿兄、知ってる?」
「いいえ、俺は知りません」
「私も知らないよ。そんな奴。坂本の恋人か。・・・それならそれで良いけどな・・・」
「夕凪は私の妻。冗談言うのもいい加減にしてくれない?」
「・・・・・。ご結婚してたんですね?」
『!!』

都の悪気のなくても恐ろしい言葉に帯刀さんは私を抱き寄せ怒り出すけれど、ゆきかすかな悲しげな反応に私達はようやくこの異変を理解する。

ゆきは私を知らない?
なんで?

−どうやら我らは誤って違う時空に来てしまったようだね。
−そのようだな。この時空では凪が存在してないのかも知れない。

そんな私の思いにシロちゃんとアオちゃんは、心の声で驚くべき内容を答えてくれた。
それは帯刀さん達にも伝わったらしく、同じく驚きを隠せない表情に変わり絶句する。

私が存在してない時空?
そんな時空が、・・・。
あっ、ゲームにより忠実な世界?

「?取り敢えず中に入って下さい。紅茶でも入れます」
「お姉ちゃん、そんなことより早く玄武の札を設置しに行こうよ」
「ゆきさん、我々のことはお気になさらずに行ってきて下さい。我々は中で待たせてもらいますから」
「そうだね。それがいい」
「そうですか?ならお言葉に甘えて行ってきます」

戸惑いながらもゆきは私達を招き入れようとする物の、祟くんに急かされ何か考えのありそうなアーネストと帯刀さんに後押しされゆきはそう言って三人と出掛けて行く。
本当ならそれは阻止をしなければいけない気もするけれど、良く良く考えれば三枚の四凶の札はもう回収しているのだから問題はない。
二人もそう思ったから今の状況を話し合って整理するため、ゆき達を何食わぬ顔で言い方が悪いけど追い出した。
そう考えた方が、自然の流れなんだろう。
私もまずは話し合いたい。



「私達とは異なる時空ね。ならその時空では私は何をしてるの?」
「基本的に何も変わりませんが、凪と関わる物すべてがないことになっていると思われます」
「つまり凪と帯刀は、この時空では夫婦ではないと言うことだ」
「だから何?でも実際の私達は愛し合っている夫婦であり、必要であればまた式を挙げれば問題ない。夕凪もそれで良いでしょ?」
「はい。ありがたきお言葉です」
「まぁ、あくまでも憶測であるがな」

リビングで四神達の説明の末すでに結論は簡単に達していて、私が不安になるより早く不安を取りの沿いでくれて思わず私は敬礼してしまった。
帯刀さんはいつでも私のことを考えてくれているから、心配する必要はこれっぽちもない。
私は今まで通り帯刀さんを信じて、前を歩いて行けばいいだけ。
それに龍馬やアーネスト、南方先生だっている。
もちろん四神達も。
だから私が存在してない時空であっても、今の所まったくもって問題なし・・・だよね?





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