夢幻なる絆

□8.闘いの仕方
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「それでシロと何を話してたの?」
「これから私達がやらなきゃいけないことです。帯刀さんは協力してくれますよね?」
「当たり前でしょ?まずは私に話してみなさい」

すべて食べさせてもらった後シロちゃんとの会話の内容を問われ私は隠さすそう言えば、帯刀さんは迷うことなく頷き私を抱き寄せ髪をなぜてくれる。
そんな帯刀さんの優しさに私の決意は更に固くなっていく。

「私祟・・・瞬の弟とよく話し合いたいんです」
「それは以前言ってたことだね?」
「はい。祟くんはまだ14歳の子供で未来を生きたいと望むのは当然の権利なのに、ゆきと瞬はそれを残酷にも否定している。二つの世界を救うことしか考えていないんです。だから私が祟くんの笑って暮らせる未来を作ってあげたいんです」

こう言うのをきっと高杉に言わせたらただの偽善者だって言われると思うし、私自身もこれは偽善者に近い考えじゃないかなと思う。
でも私にはどうしても祟がすべて悪いとは思えない。
それに瞬に未来がある終わりがあるんだから、きっと祟の未来だってどこかにあるはずだ。

・・・ゆきと瞬をくっつければ、自動的に祟の未来もあることになる?
それとも瞬は八葉だから、特別扱いされただけ?

「・・・夕凪の意志は分かったよ。でもその前に夕凪は大切なことを忘れている」
「え、大切なこと?」
「そう。四凶の札の回収」
「あ!!」

私の言い分をちゃんと最後まで聞いてくれた帯刀さんから意味深なことを問われ分からず首を傾げ眉を細めると、言われてみれば誰にでも少し考えてみれば分かりそうなことにやっと気づき声を上げ帯刀さんを指さす。
馬鹿らしい凡ミスで情けないと思うより、あまりにも私らしすぎて納得してしまう。

今まで四凶は当然復活だと思っていたけれども、四凶の札を回収しちゃえば復活は阻止できる。
こんな簡単なことだったんだね。

「やっぱりそこまで頭が回らなかったみたいだね。龍馬達に四凶回収を任せているから、安心しなさい」
「さすが帯刀さん、行動が早いんですね」
「こうでもしないとまた暴走するでしょ?」
「もう暴走はしません。これからは帯刀さんやみんなに、なんでも協力を求めることにします」

すでに四凶の心配はなく私のことも先回りしてブレーキを掛けられるけれども、それだけはないと否定し今の思いを強く告げる。
私の決意をちゃんと分かって欲しかった。
今度こそ貫いてみせる固い決意。

「私だけにしなさいと言いたい所だけれど、こればかりは私だけでどうに出来る物でもないからね。龍馬達もやる気になっているから、そうしなさい」
「はい。でも一番最初に相談するのは、極力帯刀さんにします」
「そうだね。所で夕凪、サトウくんと何かあったの?」

今の状況を理解してるからこそ案外快く受け止めてくれてその話は終わったら、突然辺りの空気がピリピリしてしかもなんの脈略もない問いを投げかける。
これにはさすがに超鈍感な私にもなんとなく意味を理解するけれど、それにはまったく心当たりは・・・まぁ多少はあるにはある。
だけれどそれはアーネストにとっては、なんでもないスキンシップ。

下手に真実を言ったら変に誤解をされて、アーネストにも被害が被るからそれは隠しておこう。
いざヤバくなったら、私の愛しているのは帯刀さんだけって甘く言えばいいか。

「別になんでもないですよ。何かあったんですか?」
「いいや。何もなければいい。忘れなさい」
「?」

白々しく嘘を付き真相を尋ねれば、強制的に話題は終了となってしまった。




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