夢幻なる絆

□8.闘いの仕方
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「夕凪から光が生まれたと思ったら、私達はここにやってきたんだよ。覚えてない?」
「え、光?そう言えば気を失う直前ブレスレットから・・・」

身に覚えがまったくなく少しだけじれっ隊になりつつある私だったけれども、帯刀さんも否定しないで根拠となる出来事を教えてくれる。
教えられてあの時の記憶をなんとか引き出せば、確かにそれらしい前兆を感じたことを思い出す。
今ブレスレットを見ても、とくに異変はない。

でもそう言えば私がこちらに来る時も、このブレスレットが輝いてたよね?
白虎が最後にくれた四神の力が宿るブレッスレット。
・・・私の能力を増幅し制御する物・・・
だったら本当に私の力で、みんなを助けた。
あれ他にも何か言っていた気がするけれど、・・・なんだっけぇ?
とても大切なことだったような気がするのに、どんなことだった全然思い出せない。
・・・あ!?

「・・・白虎と朱雀と玄武は?」
「あいつらならこの建物の周囲に結界を張ってるよ。そろそろ戻って来るじゃないか?」
「そう・・・よかった」

フッと頭の中を過ぎるとてつもない不安に私は恐る恐る彼らの名を呟くと、意外にも龍馬は何事もないようにあっさりした答えに私は安堵する。
もしも三人が宰相に殺られていたら、希望がなくなって絶望してたかも知れない。
その割りには気づくのがいつも後回しになって酷いって言われると思うけれど、それでも私には掛け替えのない神様達。
私なんかのために、宰相と戦ってくれた。
命を掛けてくれてくれる大切な大切な仲間。


「凪、やはり気づいたのですね?」
「結界は厳重に張っておいたから、もう何も心配はない」
「凪、気づいてくれて私は嬉しいぞ」
「シュウちゃん・シロちゃん・クロちゃん、無事だったね」

そこにナイスタイミングで可愛い姿に戻り元気そうなシロちゃん達が部屋に入ってきて、私が意識を取り戻したことに喜び私もそんな姿を見てますます笑顔になる。


「あのぐらいどうってことないと言いたい所だが、かなり力を消耗させてしまいこの仮の姿を保っているのが精一杯になってしまった」
「結界も三人でどうにかやっと張れっている」
「そうか。でもまたしばらくすれば、回復するんだよね?」
「もちろんです。ですから凪は何も心配しなくても良いのですよ」

正直に深刻で心配するべき現状をシロちゃんとクロちゃんが話してくれたけれど、シュウちゃんに言われて私は心配するのを止めた。
心配したら三人に迷惑が掛かるだけだから、私はいつもと同じ無駄に元気な私でいよう。
私の元気をみんなに分けられるぐらいでいれば、ひょっとしたら早く回復するかも知れない。

「帯刀さん、良いですか?」
「今日は特別に許してあげる。今回ばかりはシロ達にお世話になったから、私からのご褒美」
「シロちゃん、シュウちゃん、クロちゃん、こっちにおいで」

そう思ったら急に三人を力いっぱい抱きしめたくなって念のため帯刀さんに確認をすれば、珍しく皮肉っぽくても頷いてくれたので私は両手を広げ三人を呼ぶ。
すると三人は幼い子供のように無邪気な笑顔を浮かべ、迷わず私の懐に飛び込んでくる。
可愛らしい三人が更にに愛らしくたまらなくなって、私はギュッと抱きしめ元気を分けそしてもらう。




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