夢幻なる絆

□8.闘いの仕方
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「龍馬〜!!」

事情を知っている物の直接詳しい話を聞くため、明るい笑顔で龍馬の名を呼び手を振り近づく。
こう言う探り方はあまり良くないと思いつつも、ここが正念場だし時間がないのだからやるしかなかった。
でも龍馬には後でちゃんと話すつもりだ。

四凶を復活させてはいけない。
今日ここに来る天海から、青龍を取り戻す。
失敗は絶対に許されない。

「凪。やっぱり来てたんだな。アーネストに無事会えたようだが、帯刀と南方先生はどうした?」
「帯刀さんは高杉と話し合いに戦場の前線へ、南方先生は負傷者達の治療をしている。私とアーネストは食料調達に行く途中」
「帯刀も南方先生もらしいな」

私の声に気づいた龍馬はいち早く駆け寄り帯刀さん達の所在を確かめ分かると笑う。
確かに二人ともらしいかも知れない。
そんな和やかな会話と雰囲気だったのに、突然嫌な殺気が立ち込める。

「お前・・・あの異人?」

それはチナミちゃんだった。
アーネストを恐ろしいぐらいに睨んで、今にも襲いかかりそうな勢いがある。
異人を敵だと誤解しているチナミちゃんだから無理もないけれど、ここは私がなんとか穏便に納めなくては。

「ふうん・・・。今日は武器を向けないのですか?」
「なっ・・・?」
「ちょ何油に火を注ぐような挑発かましてんの?チナミちゃんもそんなことしないよね。アーネストは私の友人なんだから、そんなことしたら私が許さないよ。したらあそこ狙って蹴るから」
『・・・・・』

穏便に納めようとする前にアーネストは小馬鹿にするように挑発し始めるので、私は急いで仲裁に入り静めるつもりが余計な発言をポロリ発してしまった。
たちまち二人と龍馬までが顔を青ざめ時が止まる。
これには私も顔を赤らめ口を塞ぐが、すでにそれは時遅し。

「とにかく今は喧嘩してる場合じゃないよ?龍馬とチナミちゃんも手伝って」
「え、あそうだな」

強引に話を完結させ二人に強力を要請してると、残りのメンバーがようやく私達の元に到着する。
どうやら今の一見は聞かれなかったらしい。

「ゆき、久しぶりですね」
「久しぶり。アーネストは凪さんの知り合いだったんだね?」
「ええ、親しい友人ですよね?小松婦人」
「うん、悪友とも言うけれど」

何食わぬ笑顔でゆきとの再会を喜ぶアーネストなのに、ゆきはなんだか浮かない表情を浮かべ寂しそうに言葉を返す。
どうしてそんな顔をしてそんなこと言うんだろうと疑問に思う物の、ゆきのことだから聞くほど気にはならないのでスルーすることにした。
それに私だけじゃなく他の連中も気づくだろうから、私が聞かなくても誰かが心配して聞くだろう。

まぁきっとゆきのことだから、それでも隠して黙っているんだろうけれど。
どうしてゆきは、なんでもすぐに隠すんだろう?
傷ついて辛い思いをするのは自分だけで良いとか思っているみたいだけれど、それって完全な自己満足で良い格好しいでしょう?
それにそれって誰も信用してないから、隠すんだよね?
せめて親友の都ぐらいには相談すればいいのに、ゆきにとって都は親友じゃないの?




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