夢幻なる絆

□7.未来改造計画
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「それでシロ、夕凪にも扱える力などあるの?」

私の意志をすべて帯刀さんとシロちゃん達に伝えると、案の定眉間にシワを寄せた帯刀さんはシロちゃんにそう問い出さす。

やっぱり一筋縄では行きそうもないか。
まだ頭ごなしに反対されないだけましかも?

「青龍さえいれば我ら四神の力を授け神子にすることも出来る」
「ですね。私も凪を四神の神子にするのは構いません。帯刀、私達が全力で守りますから、危険は最小限に留めます」

返ってきたのは望みある答えだけれど、すぐには無理そうな答えでもあった。
シュウちゃんは帯刀さんが心配してることを分かっているらしく、聞かれる前に安心するように告げる。
期待してたとは言え、これでもまずまずと言った感じだ。
問題はこれからの帯刀さんが、どんな反応を見せるか。

「そう。なら青龍の札がなければ、話にならないんだね」
「そう言うことだ。凪には申し訳ないが・・・」
「気にしないで。可能性があるだけも、私は十分だからね」

どこか安堵した帯刀さんはそう簡単にまとめきつく言い捨て、すっかりシロちゃんは小さくなって私に謝ってくる。
でも謝られる理由なんてまったくない。

「なんなら私の神子になるか?」
「だったら我の神子に・・・」
「クロ、シロ、一人いじめはいけません。凪は私達みんなの凪です」
「違います。夕凪は私だけの妻。あなた達はただの護衛であって、そう言う奪い合いは辞めなさい。まったく腹立たしい」
「・・・・」

クロちゃんの余計な提案がきっかけで辺りの空気はたちまち最強に悪くなり、シロちゃんとシュウちゃんも本音を言って帯刀さんの雷が落とされる。
ワンパタン過ぎる展開になってしまった。
私が原因だとは言え、いつもながら呆れて何も言えない。

みんな私を大切にしてくれてるのが分かって、嬉しいことは嬉しいんだけど・・・。


「すみません、調子に乗りすぎました」
「まったく油断も隙もないね。とにかくこの話は青龍の札を手に入れてから、よく話し合うことで良いね?条件付きで認めてあげるから」
「本当ですか?ありがとうございます」

いつもならもっと話が拗れて帯刀さんはヘソを曲げるんだけれど、今日はどう言う訳か話を後回しにされても前向きな答えをもらえた。
その答えに私は嬉しくて帯刀さんに抱きつき、笑顔を浮かべ自らキスを奪う。
南方先生の言う通り、ちゃんと話せば分かってくれた。

「どうせ夕凪は反対しても、隠れて暴走するでしょ?だからある程度のことを認めて、私の傍に置いとけば安心できる」
「あ、そう言う考え方もありますね」

完全に私の行動の先の先まで読まれた上の、先手必勝と言うべき結論だった。
私にはこんなこと到底思い浮かばないこと。

でも条件付きって言うのがすごい怖い。
知りたいような。知りたくないような。

「じゃあ、この話はこれで終わり。明日は早いから今夜はもう休むよ」
「そうですね」
「そう言うことなので、あなた達は隣の部屋で大人しくしてて下さい。くれぐれも神子殿達に見つからないように」

これまたお決まりのように話が終わった途端、シロちゃん達を邪魔者扱いと忠告をし追い払う。
確かに今夜はゆき達も泊まっているんだから、シロちゃん達にはいつも以上に注意をしてもらわないといけない。
でもそんな冷たい言い方しなくてもいいような?

「分かってます。凪、お休みなさい」
「おやすみ凪」
「私は凪と・・・ムッッ・・・」
「それ以上は言ってはなりません。私達まで帯刀に殺されてしまいます」
「どうやらクロには、きついお仕置きが必要なようだね」
「駄目ですよ。話し合いで解決して下さい」
「それは無理。でも殺しはしないから、安心しなさい」

相当クロちゃんに後一服の帯刀さんは、悪魔の笑みを浮かべ愉快そうに漏らす。
クロちゃんの生命の危機を感じてブレーキを掛けるけれど、効果はあまり見られないご様子だった。

果たしてクロちゃんに明日はあるだろうか?



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