夢幻なる絆

□7.未来改造計画
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「あんたって本当に面白い人なんだな。昨日はゆきにムカつくことを言ってムッとしてたけど、どうやらあんたとはそれなりに仲良く出来そうだ。改めて宜しくな」
「あ、ありがとう。そう言ってくれると嬉しいかな?」

あたし達の会話をすべて聞いていたのかいきなり都がそんなことを言って握手を求められ、でもそれは微妙なことで素直に喜べず引き攣った笑顔を浮かべ握手を交わす。

また言われてしまった面白い。
しかも一回りぐらい離れている子に、同等あるいはそれ以下に見られている。
私にはプライドなんてないけれど、さすがに一回りも離れている子には同等に思われたくない。
タメ語とかは別に構わないけど・・・。
チナミちゃんでさえ一応私は年上だと思ってる・・・はず。

「凪、良かったな。同性の友達が出来て」
「そそうだね。私友達少ないから・・・」
「お嬢、都、凪は本当に良い奴だ。親友の俺が言うんだから間違いねぇ」

なのに龍馬は私の悩みに気づいてくれず、ただ親友の交流関係が広がったことを喜んでくれている。
しかお勧めまでされ仲を取り持とうとしていた。

龍馬らしいと言えば龍馬らしいけれど、それくらい気づいて下さい。
やっぱりそう言う所は、鈍感なんだから。
でもそれだけ龍馬は、私とゆき達が仲良くして欲しいと思っているだね。

「龍馬さんがそう言うのならそうなんですね。だけど・・・凪さん、どうして昨日はあんなことを言ったんですか?」
「それは事実だから、私には未来が見えるんだ」
「未来が?それ本当なのかよ?」
「・・・うん、本当」

ゆきの方から昨日の触れて欲しくない一見をぶり返され真相を冷静に問われたので、私も今度は冷静なままうまく答えを交わせたと思う。
さっき帯刀さんはチナミちゃんに私は予言者と言っていたから、それに合わせてゆき達にも予知能力者であることを強調する。
それさえ言っておけば今後怪しまれることはないけれど、当たり前のようにゆき達は予知能力者自体に驚き困惑した。
すぐに信じてくれるとは思ってなかったから、これもおおよそ予想のうち。

「その未来は絶対なんですか?万が一はずれることもあるんですよね?・・・私は二人を信じたい。だって今まですごく良くしてもらったから、そんな悲しい未来信じたくない」
「・・・信じたくないんなら、信じなくても良いよ。私は親切で言っているだけなんだからね。・・・私部屋に戻る」

だけどそれでもやっぱりゆきは聞く耳持たずで自分の都合が良いことを言って来て、これ以上対立するのが馬鹿らしくなり怒った口調でそう言い捨て急ぎ足で屋敷の中へと急ぐ。

私は別に意地悪で言っている訳じゃないのに、どうしてゆきは少しも信じてくれないの?
いつだってゆきは、自分勝手に暴走するだけ。
ゲームはゲームだから都合良くどうにかなったけれど、ここはもう現実世界と同じ。
どう考えたって、うまく行くはずがない。
いくらこれも予想内だとしても私はそこまで人が良くないから、粘り強く説得はしないでさっさと見捨てやる。



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