夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「所で小松婦人はシロのお散歩中ですか?」
「まぁ〜ね。今帰ろうとしてた所」

話は次なる段階に進みシロちゃんを見ながら問うアーネストに、私は真実を話すのは面倒たから話を合わせることにした。
そもそも本当のことを言ってもアーネストには関係ないのだから、また嫌みを言われて終わりだろう。

―そんなことない。アーネストサトウは八葉の一人。いずれ協力することになるだろう。
―へぇ〜、そうなんだ。やっぱり龍神の神子は八葉が必要なんだよね。・・・・・・。

私の心を読み取ったシロちゃんは私の力になるつもりで教えてくれているのに、私は余計なことを考えてしまい不安が押し寄せ言葉を失う。

龍神の神子がラスボスに敗因した原因の一つは、多分八葉との絆が弱かったから。
だから今度は絆を強くすればいいのかも知れないけれど、その八葉の一人が帯刀さん。
龍神の神子と八葉の絆は、きっと仲間より強い恋愛感情も入って来る。
龍神の神子は少女で、守らないといけないんだもんね。
それが当たり前のこと。
たけど帯刀さんは私だけの者なんだから、誰にも渡したくない。
でもそしたら帯刀さんはまた・・・。
そうしなくて良い方法は、何かないのだろうか?

―凪、すまない。また我はそなたを傷付けたのだな。
「小松婦人、いきなりどうしたのですか?」
「あ、ごめん。ちょっと考え事してただけ」

考えれば考えるほど不安が大きくなっていき、隠すことなど出来ずアーネストまでにも心配されてしまう。
第三者のアーネストに相談したら、冷静な助言をもらえるかも知れない。
でもそれは残酷な助言だったら、私はどうしたらいいんだろう?

・・・・・・。
・・・・・・。

「屋敷まで送って行きます。今のあなたを一人にしておくのは危険だ。まぁ私と一緒だと別の意味で危険かも知れませんが」

どんどん深みにハマッてどうしようもなくなりつつ私を、アーネストはそう言葉をかけて私の手を握り微笑み掛ける。
裏などまったくない久しぶりの王子様スマイルに、私の心臓はちょびっとだけ高鳴ってしまった。

すっかり忘れていたけれど、アーネストって私の憧れの人だったね。
腹黒だからそう言う気持ちはすっかりなくなっていたけれど、こうしてみるとやっぱり憧れの人だな。
もちろんファンって言う意味で、恋愛感情はない物だけれど。

「ありがとうアーネスト。ならお言葉に甘えて送ってもらおうかな?ねぇアーネスト、もし私がこれから先助けを求めたら、ちゃんと助けてくれる?」

そう思ったらアーネストにも力になってもらいたくなり、私は勇気を持ってもしもの時の協力を求めることにした。
アーネストなら私達のことをよく知っているし、腹黒だけれど本当は優しい人だと知っているから。

「そうですね。小松婦人がちゃんとした方法で、私に助けを求めるのならばね。私の助けは、高いですよ」
「うん、分かった。ちゃんとお願いもするし、お礼もするよ」

いかにもアーネストらしい条件付きの承諾に、私は快くすべて飲み交渉は成立する。
このぐらいのことは、覚悟の上だった。



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