夢幻なる絆
□6.四神を救え
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「・・・チナミちゃんだよね?」
「・・・お前は確か小松・・・??」
「あ、やっぱりチナミちゃんだ。久しぶり、元気だった?」
気になった私は早速少年の元に行き確かめると、やっぱりその少年はチナミちゃん本人だった。
ただ私を見るなり速攻警戒されるけれど、私は気にすることなくイヤテーションが上がり話を続け隣に座る。
だって私のこと小松って呼ぶから、嬉しくってしょうがない。
・・・・・・
・・・・・・
・・・あれ?
チナミちゃんってマコトの弟じゃなかったっけぇ?
だとしたら当然チナミちゃんも天狗党なんだから捕まっているはずなのに、なんでこんな所にしかも自由にしているの?
やっぱりゲーム設定だから、私の知識は無意味?
「だからちゃん付けするんじゃないって、前にも言っているはずだろう?」
「え、別に良いじゃん。それよりマコトはどうしてる?」
「!!おお前には関係ないだろう?」
以前のように激怒されても気にすることなく核心に触れてみるとそれは触れてはいけない禁句だったらしく、一瞬すごく辛そうな表情に変わった後それは怒りに変わりこれ以上もないぐらい激怒される。
迫力ありすぎてびびりまくりで思わず後退するけれど、瞳の奥はやっぱり辛そうに見えてただ事じゃないとものがたっていた。
それを見たらびびってばかりじゃいられなくなり、チナミちゃんのことが心配になる。
やっぱりマコトは忠実通り捕まった・・・。
だからチナミちゃんは落ち込んでいる。
それなのに私と来たら、無神経なことを言って余計傷付けてしまった。
私ってやっぱり馬鹿だな。
「・・・ごめん。私もう行くけれど、もし何かあったら小松邸を尋ねてきたね。力になるから」
本当は今ここで力になってあげたいけれど、今のチナミちゃんにはもう私の言葉なんて届かない。
だから今日の所はこれだけ言って、私は一先ず退散することにした。
もしかしたらこの言葉すりゃぁもう届かないかも知れない・・・。
「なぁお前は異人のことどう思ってる?」
「え?」
そう思っていたのに意外にもチナミちゃんの方から、深刻そうに深刻なことを問われ私は立ち止まりチナミちゃんを見つめた。
この問いは奥が深くて、下手なことを答えれば斬られる可能性がある。
異人と言うからにはチナミちゃんは、外人をよく思ってない証拠。
そもそも天狗党は尊王攘夷派。
「ああ、お前がもし本当に家老の妻だとしたら、異人がこの国に悪影響であると思うだろう?」
「私にはそんな難しいことはよく分からない。鎖国している国にわざわざ入ってくる無神経な人達だと思うけれど、そもそも鎖国自体って発想がもう古い考えなような。だって外人も日本人も同じ人間なんだから、外見だけじゃなくって人柄で判断するべくだよ。・・・あっ!!」
ここはこれ以上怒らせないように刺激のない答えを言おうとしたはずなのに、ポロリと本音を言ってしまいチナミちゃんに睨まれこれ以上もない怒りを買う。
血の気が真っ青になり引き寒気までしてきた私は、チナミちゃんの雷が落ちる前にその場からダッシュで逃げさる。
くわばらくわばら