夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「・・・まったく。でも良いよ。こちらから話をつけておくから、夕凪は屋敷に戻り支度しておくこと。それから無茶だけは、するんじゃないよ。いいね?」
「はい、無茶は絶対にしません。約束です」

いつものように呆れても私を見捨てることなくちゃんと聞き入れてくれ、私はニコッと笑い小指を差し出し指切りを求める。

無茶しようとしてたことは、この際秘密にしちゃおう。
バレたら監禁させられて、シロちゃんの命も危なさそうだしね。

だが。

「駄目。これじゃないと」
「え?」

指切りはお気に召さないらしく帯刀さんは私をいきなり抱き寄せ、人様の目を気にすることなくディープキスをここぞと言わんばかりに激しくされてしまう。
私は姿勢を崩し倒れるけれど、それでも関係なく続く。

指切りよりキスが約束の証。
それはいかにも帯刀さんらしいけれど、こう言う所を人に見られても平気なんだろうか?
私のような妻でも恥ずかしくない?

「ご飯粒がほっぺについてるよ」
「え、きゃぁ?」

ディープキスが終わったら今度はそう言われた瞬間、ほっぺを舐められる感触を感じて思わず悲鳴を上げる。
ほっぺが生暖かい。

私もしかして、帯刀さんに舐められた?
ご飯粒なら普通に取ってくれればいいのに、なんでわざわざこんなことするの?

「きゃぁじゃないでしょ?では私はもう行くから、夕凪も食事が終わったらシロと帰るんだよ」
「え・・・もう行っちゃうんですか?」
「そろそろ報告が入る頃だからね。後で気が済むまで甘えて良いから、そんな顔しないの」「・・・はい、分かりました」

すっかり帯刀さんはご機嫌になり突然戻ると言い出し私を不安にさせるけれども、その辺はさすがの帯刀さんでちゃんとそう約束してくれる。
だから仕方がなく、私は笑顔で帯刀さんを見送ることにした。

帯刀さんは、ただ今仕事中。
これ以上わがまま言って、困らせたくない。
それに後で甘えて良いって言ってくれたんだから、今は我慢しないと駄目なんだ。
だけど・・・。
私って本当に甘えん坊だよね?
帯刀さんが本当に傍にいないと淋しいなんて、いくらなんでも幼稚すぎる。
少しぐらい離れていてもここにいれば、夜はちゃんと私の元に帰ってきてくれる。
それだけで、十分満足じゃん。
精神的にも、大人にならないと。
私は立派な大人・・・なんだから・・・。


「私達も、帰ろうか?」
−そうだな、それがいい。・・・おや?
「え、あ、あれチナミちゃん?」

帯刀さんがいなくなり私も残りのお団子をほうばり帰ろうとすると、シロちゃんは何かを見つけ私も視線を合わせるとチナミちゃんらしき少年が川を眺めていた。
なんだか苛立ち機嫌が悪そうな雰囲気なのに、なぜかとても寂しそうにも見える。

・・・何かあったのだろうか?




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