夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「私は英国人ですよ。この国の護るのなど・・・」
「あのねアーネスト。龍神の神子が選ばれる時は、この世の危機なの。それはこの国だけじゃなくって、この世すべてが滅びるってこと。つまりあなたは外人代表」
「・・・・。そう言われてしまうと、確にまったく関係ないとは言い難いですね。分かりました。その時が来たら、出来る限り協力しましょう」

本当はもっとトゲのある言い方で貶したかったけれどそれは辞めて大人の対応で理由を教えると、頭のいいアーネストはすぐに理解してくれて協力をしてくれることになった。

さすがに世界の危機って言えば、普通は協力してくれるか。

「そうか。俺達は龍神の神子を護る八葉なのか。凪は帯刀とシロ達がいるから、大丈夫だよな?」
「夕凪は私一人で十分と言いたいとこだけど、まぁ四神は夕凪の使い魔らしいから仕方がない」
「シロちゃんとシュウちゃんは、使い魔じゃなくって仲間です」
「そう?ならあくまでも仲間で、更にここに玄武の札がある」

って帯刀さんは不満そうに言って、懐から玄武の札を取り出し三人に見せる。
私にとっても始めてみる玄武の札は、やっぱり穢れていて助けを求めている。
早く苦しみから、解放してあげたい。

あれ?
こんな考えは偽善者っぽい?

「これは高杉と言う侍が持っていたものですよね?」
「ああ。我が拝借してきた。我ら四神は凪と共にいることが幸せなのだ」
「確かにそうですね。凪は優しいですし、それていてこき使われませんから」
「なんか照れちゃうな」

日頃褒められてない私は、歯痒くて顔がニヤケ反応に困る。
そう思ってくれて良かった。

「そうだったんだな。でも悪い青龍の札は、お嬢が欲しがってたからやっちまった」
「え?」
「お嬢は龍神の神子らしくて、必要としてたからさ」
「・・・・・」

申し訳なさそな龍馬の予想もしてない答えの連発に、私はショックのあまり涙が自然と溢れふさぎ込む。

青龍の札はもう神子が持っていて、龍馬の想いの人。
想いの人に渡すのは当然で、返せとは言えないだろう。
こんな考え最低だけれど、あの子は神子だから好きになれない。

でも

「そそんな悲しそうな顔するな。・・・今度お嬢に逢えたら、返してもらえるか聞いてみるからさ」
「え、いいの?」
「親友の幸せを守るためだからな。そんなに気にするなって」

これまたもや思いも寄らぬ返答で、龍馬はニカッと笑う。
想いの人より親友の私を優先してくれるなんて龍馬らしい。

これでもう何も心配することはない?

「ありがとう龍馬」
「私からも礼を言うよ。私はどうしても神子殿を護る気になれないからね。それで南方先生、お願いがあります」
「え、私にですか?」

龍馬との楽々と話もついて残りは南方先生との話だけになり、帯刀さんは南方先生に改まって真剣に話を切り出すとようやく我に返り戸惑いながらも返答する。

何をお願い・・・まさか?

ある一つの予想がフッと思い浮かび、私は帯刀さんをマジマジ見つめる。

「南方先生、私の代役で八葉になってもらえませんでしょうか?」
「・・・は?」

それはまさしく予想通りの爆弾発言で、聞いた瞬間南方先生の目は点になった。



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