夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「凪、それは一体どうした?」
「帯刀さんが・・・」
「凪も大変ですね。ですがそんなにイヤなら取ればいいじゃないですか?」
「そんなことしたら、もっと酷いお仕置きされちゃうよ」

紅茶の用意をしてシロちゃんとシュウちゃんを呼びに行き広間に向かう途中、やっぱり聞かれてしまった注意書きの詳細。
名前を言っただけで見当は付いたのか私を哀れんで助言をしてくれる物の、それはすでに禁止されていることで私は涙して恐れる。

酷いお仕置きと言えばきっと一緒に寝てくれないとか、新鮮な生人参一本を良く噛んで食べろに違えない。
・・・考えるだけで恐ろしい。

「・・・凪。本当にそれが恐ろしいのか?」
「恐ろしいよ。あでも一緒に寝ないのは帯刀さん自身にも苦痛だろうから、生人参になるのかな?」
「幸せですね。凪・・・」

なぜかそう言うことを言われ、二人して深いため息をつき苦笑する。
呆れているのかも知れない。

私にしてみたら深刻な悩みなのに、実はそんなたいしたことなかったり。
確かに私はそれでも幸せ・・・なのか?
生人参ぐらいですめば、めっけもんなんだろうか?
でも・・・。
やっぱり生人参は怖いよ。




「帯刀さん、お待たせしました。シロちゃんとシュウちゃんを連れて来ました」
「ありがとう。じゃぁ二人ともきちんと挨拶しなさい。大まかなことはすべて話してあるから」
「あの帯刀さん、その言い方はちょっと・・・」

広間に入りそう言いながら紅茶を注ぎ始めれば、相変わらずの雑すぎ子供扱いに私は思わずシロちゃんとシュウちゃんの肩を持つ。
わざわざそんな言い方をしなくても、二人なら私と違ってちゃんと挨拶ぐらい出来るはず。
知ってて帯刀さんはわざと言っている。

「凪、我は気にしていない。このぐらいのこと、もう聞きなれておる。我は白虎。凪に忠実を誓っており、小松帯刀は我が守護する人の子。現在代わりを探してる」
「私も気にしていません。私は朱雀。白虎と同じく、凪に協力をしています」

優しいから言える言葉なのか恐れているから言える言葉でそう言い、ちゃんと自分の名を名乗り頭を深々と下げ挨拶をした。
神様だからと言って、全然偉そうじゃない。

「これが日本の神様・・・。それでどうして私が呼ばれたのでしょう?ひょっとしてこれが小松婦人が言っていた助けて欲しいこと?」
「うん、そうだよ。それにアーネストも龍神の神子を護る八葉の一人だから」

三人の中で一番驚き最初に問うアーネストに、私は頷き簡単に理由を説明した。
龍馬は大半を知っていて順応が早いから特に驚いていなく、逆に南方先生は驚きすぎて固まっている。
真面目すぎる南方先生だから、無理もないかも知れない。

「私が八葉?私はこの国の人ではないんですよ。だから私には関係ないのでは?」
「アーネストって意外に馬鹿なんだね」

もろに平常心を取り乱し混乱しまくるアーネストだったけれど、私は冷静に見下すように普段は言えない言葉を言い放す。

拒否するのは自由だから、それについては何も言わない。
でも自分には関係ないなんて、そんな無責任なことよく言えたもんだ。




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