夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「よう、凪。久しぶり」
「凪さん、ご無沙汰してます」
「龍馬、南方先生。いらっしゃい。紅茶を入れてくるから、広間でくつろいでてね」

龍馬と南方先生も来てくれて龍馬がいるなら案内はいらないと思い、それだけ言って私はそのまま勝手場に向かおうとした。

あっ、勝手場へ行く前に、三人揃ったから帯刀さんに知らせないと。

「紅茶?それは茶の種類か?」
「龍馬さん、紅茶と言うのは、外国の飲み物です。凪さんどうしたのですか?」
「イギリスの友達にもらったんです。実もその人も今日招待していて、もう広間にいます」

紅茶を知らない龍馬は目を丸くして問えば私の変わりに南方先生が簡単に説明してくれて、私は南方先生の問いをやっぱり簡単に答える。
ちょっとアーネストを友達扱いにするのはどうかなと思ったりしたけれど、知人と言うよりかは親しい間だからそう言うことにしてみた。

後で何回われなきゃいいけれど・・・。

「そうなのか?ならいっちょ国際交流を計ってみるか」
「がんばってね」
「おう、なぁ先生『初めまして、俺は坂本龍馬』って英語でなんて言うんだ?」
「How do you do, I am Ryoma Sakamoto. ですよ」
「さすが南方先生だな。そうか、はうぢゆうぢ、あいあむ龍馬坂本か」

好奇心旺盛な龍馬はそう意気込んで南方先生に英語での紹介を問い、聞いた瞬間微妙に変な発音が大きく復唱される。
こう言う時の龍馬は、まるで少年のようで可愛らしい。
微笑ましくて、ついつい笑ってしまう。

こんなのどかな時間がいつまでも続いたら、私はどんなに幸せだろうね?



「帯刀さん、三人とも来ましたよ」
「そう?ならすぐ行くから、夕凪はシロとシュウを呼んできなさい」
「え、シロちゃんとシュウちゃん?」
「ああ。私はこれから三人にすべてを話して、協力をしてもらおうと思う。仲間は多いに越したことはないからね」
「すべてと言うと私の世界では、この世界は物語だと言うこともですか?」
「それは言わない。今まで通りここは過去の世界と言うことにしといた方がいいからね」

ここで初めて三人を我が家に呼んだ理由を聞かされ、私は戸惑いながらも肝心な聞くとそれはあっさり伏せることを告げられる。

さすがにそこまで言ったら、協力も何もなくなりさすがに大惨事になるか。
言わぬが花とか言わぬが仏って言葉があるし、帯刀さんに任せて私は話を合わせよう。

「分かりました。あ、後アーネストに茶葉とクッキーの詰め合わせをもらいました」
「そう、良かったね。夕凪」
「はい、すごく嬉しいです。後で一緒に食べましょうね?」
「そうだね。私からもお礼をしないといけないね。だけど夕凪はどうして、こうすぐに食べ物につられるんだろうね?」
「うぐ・・・。別につられてなんかないですよ」

言わないで発覚したら何を言われるか分からないからちゃんと報告したのに、それでもやっぱり皮肉を言われて私は頬を膨らまし小声で反論する。
大きな声でハッキリ否定できないのは、一部そう言えなくもないから。

でもこんなこと今まで一体何回あったんだろうか?

「夕凪、これを付けてなさい。外したら、許さないよ」
「え?」

それでも私の意見など聞かずに何かを書き、私にそれを付ける。
そこには、

この者に、無闇に食べ物をあげるべからず。

と書いてあった。

しくしくしく。




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