夢幻なる絆

□6.四神を救え
4ページ/48ページ



「では、いってくるよ。なるべく早く戻ってくるようにするから」
「はい、気をつけていってらっしゃい」

出掛ける帯刀さんを玄関先まで見送に行き私はそう言って、帯刀さんにいってらっしゃいのキスをする。

こう言うのも、妻っぽいよね?
なんて言っても、私達はまだまだ新婚さんだもん。

「それからここ最近の京は物騒だから外出する時は、シロを必ず連れて行くんだよ。危なくなったら私の名前を出しても構わない」
「は〜い。分かりました」

子供のように元気良く帯刀さんの言いつけに頷くと、帯刀さんは微笑み出掛けていった。
そして私も目的のため行動を開始する。

結局まだ帯刀さんにはこれまでのことをまったく話せてはいないけれど、帰ってきたらゆっくり話せばいい。
落ち着いて真剣に話せば、きっと大丈夫。

「そう言えばシロちゃんと猫ちゃんはどこにいるんだろう?」
「我らならここにいる。邪魔をしてはいけないと思い、猫と一緒に庭にいたのだよ」
「ミャァ〜ン」
薄情にも今さらシロちゃんと猫ちゃんの事が気になりふっと思い出し口にすると、待ってましたとばかりにシロちゃんと猫ちゃんは私の元にやって来た。
しかも愛らしい何とも言えない、シロちゃんの頭の上に猫ちゃんが乗っている姿。
それにいつものシロちゃんらしくない気遣いに、少し違和感を感じ首をかしげる。
いつものシロちゃんだったら、帯刀さんとすぐ私のことで口論になって私を困らせていた。

「そうなんだ。気遣いありがとう二人とも」
「我は未来を一部だが知ってるのだから、そう気にするでない。・・・お帰り凪」
「にゃぁ〜ん」
「うん、ただいま」

軽いネタ話をされた後シロちゃんと猫ちゃんからも迎え入れられ、私はますます嬉しくなって涙が出る。

私はこんなにもすべてにおいて幸せだったんだね。
もうこの幸せを絶対に失いたくない。
あんな未来なんてもうやだよ。

「凪、大丈夫。今度はすべてうまく行く」
「そうだよね。だったら・・・」
「朱雀の居場所ならすでにわかっとるから、まずはそこに行かないか?」
「え、じゃぁマコトが京に来てるの?」

早速青龍の札を持っている龍馬にあって青龍の呪詛を浄化しようと思ったら、シロちゃんからの思わぬ提案に少々驚き首をかしげ思い当たる節を問う。

朱雀は江戸で出会った青年マコトが持っていた。
マコトの本名は、藤田小四郎。
後から思い出したんだけれど、藤田小四郎って水戸天狗党の首領格だった人物。
この時期ならもう捕まっているはず・・・ゲームだからそう言うのは違うのか?

・・・こんなことだったら、ちゃんとやって全クリしとけば良かった。
そしたら物事はすべてすぐにうまく言ったのに。

「いいや。朱雀は現在新選組の元にある。そこでどうやら道具のようにこき使われているらしい」
「は、神様を道具にしてる?たかが新選組の分際で、良い度胸してるじゃない?だったらすぐに取り返して自由にさせてあげよう」

あまりの朱雀の粗末な扱いを知った私は無性に腹が立ち、青龍よりこっちを優先することに決めた。


おのれ、新選組許しまじぃ〜!!
私が今から解放してあげるから待っててね。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ