夢幻なる絆

□6.四神を救え
36ページ/48ページ



二人仲良く帰ってきた頃にはすでにシロちゃんが高杉が追っ払ってくれた後で、すっかり我が家は平和に戻っていた。
まぁ高杉が来たってことは誰にも知られていないようで、私がいなくなったことで騒がれていたらしい。
そして私はすぐに夕食の準備をして二人・・・シロちゃんとシュウちゃんも一緒に食べることに。


「これが夕凪の手料理のカレーね。随分独特の匂いがするけれど、本当にこれ食べても大丈夫なの?」
「はい。さっき味見したらそれなりに美味しかったですから、安心して食べて下さい。なんなら食べさせてあげましょうか?」

カレーを見るなり帯刀さんらしく率直な意見を言ってイヤそうな顔を見せるけれど、私はニコニコしながらそう答えてカレーを勧める。
それなりに美味しいと答えたけれど、本当は珍しくうまく出来たから余計ご機嫌だった。
これも梅さんが手伝ってくれたおかげもあるけれど、やっぱり愛する人のために作ったからだろうか?

「そうだね。そうしてくれる?」
「はい。じゃぁあ〜ん」
「あ〜ん、・・・随分変わった味だね」

私の言葉を疑うことなく信じ口を開けてくれて私は言葉通りカレーをすくい食べさせてあげると、幸せそうに食べてくれたけれどその割りには感想はイマイチだった。

帯刀さんにはカレーの味は合わないのかな?
こんなに美味しいのに、もったいない。

「なら今度は帯刀さんの食べたい物を作りますから、遠慮なくなんでも言って下さい」
「夕凪」
「!!だからそう言うことじゃなくって」

甘い声で答えられ尋ね方が悪かったと、心の底から思いっきり後悔し聞き直す。

冷静に考えればこうなることは、予想が付いたこと。
今までだって何度かこんな展開になっているのに、私はまた同じことを来る返す。
相変わらず学習能力がない奴。

「冗談。それは毎晩頂いているからね。そうだね・・・ステーキが良いね」
「ステーキ??あの分厚く切った牛肉を焼いた洋食のことですか?」
「そうだよ。うまく焼ける?」
「はい、頑張ります。だったらコンスープとサラダも作りますね」
「サラダは作るとは、いい堅いんじゃない?」
「うっっ・・・。帯刀さんのいじわる・・・」

後悔し反省した直後調子にのってまた似たような過ちをしてしまい、帯刀さんに鋭い突っ込みを入れられ今度は立場をなくす。

ステーキなんて幕末には似合わないというか考えつかないものを言う・・・すみません見苦しい言い訳でした。
でもステーキなんて出てくるのは予想外であって、ひょっとして帯刀さんって洋食派?
いずれにしろステーキの作り方を学んで、早く作れるようにしなくっちゃね。

「・・・見ておれん」
「同じくです。本当に二人は相思相愛で、私達の入る隙はないようですね」
「・・・我らは食事をさっさと済ませて、席を外すしかなさそうだな」
「そうですね。猫の元へ行きましょう」

そんな私達の会話をどんな風に受け止めたのか知らないけれど、シロちゃんとシュウちゃんは共に呆れきってテンポ良く話は進みそう言うことになり食べるペースを早めた。
二人はいつものように私達を気遣ってくれているようだったけれど、私は二人にも話さないけないことがある。
幸せ過ぎる今を失いたくないから、私は本気で動き出さないといけない。

「二人とも大事な話があるから、ちょっと待って」
「話?」
「なんでしょうか?」
「私やっぱり玄武の呪詛を早く払って、正気に戻してあげたい」

『はぁ〜!?』

いきなりの私の爆弾発言に、帯刀さんさえもがハモり木霊する。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ