夢幻なる絆

□6.四神を救え
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−凪、すまぬ。小松帯刀など呼ばず、我とシュウだけで解決すれば良かった。
−だから私はそう言ったのです。なのにシロは帯刀に知らせないと、後が怖いと言うから・・・。知らせに言っても、恐ろしかったじゃありませんか?
−反省しとる・・・。

帯刀さんに言われた通りシロちゃんとシュウちゃんの三人でまっすぐ屋敷に戻る途中、シロちゃんは申し訳なさそうにテレパシーで謝ればシュウちゃんは小言を言ってため息をつく。

・・・怖かったんだ。帯刀さん。・・・

「シロちゃん、そんなに気にしないで。それより私の方こそごめんね。しばらく四神捜し出来なくなっちゃって」
−凪は優しいな。そのことなら気にするでない。なぜなら玄武の札はすでに小松帯刀の元にある。
「はぁ?」

とにかく鬱ぎ込み反省するシロちゃんに私の方こそそう謝ると、シロちゃんは少し元気を取り戻し今度は自慢げに思ってもないこと言いだした。
あまりのことに私は立ち止まり、シロちゃんを唖然と口をあんぐり開けたまま見つめる。

なんで玄武の札を帯刀さんが持ってるの?
そんなこと一言も聞いていない。

−実は凪と晋作がぶつかった時、落ちたようです。その時見つからず素早く回収しました。
−本当は凪に直接渡すはずだったのだが、玄武の札はまだ穢れておる。だから小松帯刀に判断を仰ごうとしたら、取りあげられてしまった。
「そそうなんだ・・・。取り敢えずありがとう」

訳を知りありがたかったけれどあんまり嬉しくない状況に一応お礼を言って、肩をがくんと落とし再び歩くのを再開させた。
今さっきより足は重く感じられ、なかなか前には進めない。

私の元に玄武の札がやってくるのは恐らく当分先のことで、それまでは帯刀さんが多分シロちゃんの時と違って肌身離さず大切に持っていると思う。
四神捜しには協力してくれると言ってくれているけれど、あんまり積極的じゃないし私の体のことを気にしてくれている。
そりゃぁ私は穢れを払うと生死を彷徨うことになって、帯刀さんにすごく心配を掛けてしまう。
でもそれは私達の幸せな未来にするためには、仕方がないことなんだよね?
その辺もちゃんと分かって欲しい。

「ねぇどうやったら私の力は強くなるんだろう?それとも私はもう穢れを払っても、倒れないかな?」
−確かに以前と違って凪の能力はいくらか増しているが、玄武の穢れを払えば二日は生死を彷徨う。毎日体を鍛えれ精神統一をしていれば、そう言うこともなくなるだろう。
「・・・体を鍛えるね。なら屋敷まで走って帰ろう」

望みが薄い問いを軽い気持ちで聞いてみればやっぱりそれは駄目で、変わりに良い方法を教えてもらい私は今出来ることを早速実行開始する。

体を鍛えるのならジョギングとか腹筋とか背筋だろうし、精神統一なら瞑想?が効果的だろう。
あ、武道を習うなんてのも良いかも知れない。

−凪は前向きですね。ですが無理は禁物ですよ。
「分かってるよ。だからまずは軽く」

親身になって心配してくれるシュウちゃんに、私はそう言いながらも足を速めた。




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