夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「あら凪ちゃん、久しぶり。しばらく見ない間に随分綺麗になっちゃって」
「き綺麗だなんてそんなことないですよ」

龍馬が泊まっている宿に行き女将さんに声を掛ければ、女将さんは微笑みながらお世辞でしかない言葉を言われ照れまくる私。

女将さんとは八ヶ月ぐらい振りだけれど、なんでそれで綺麗なるんだろうか?
そもそも私が綺麗であるはずがない。

「綺麗よ。小松さんとさぞかし熱愛なんでしょう?」
「あそう言うことか。はい、うまく行ってます。所で龍馬はいますか?」
お世辞と言うか言葉のあやだってことが分かり、私は話を元に戻し龍馬のことを問う。
綺麗だって言うことは、幸せだって言う何よりの証。
私は今何よりも幸せだから、そう言われた方が嬉しい。

「龍馬さんならこの所、見てないわよ」
「え、そうなんですか?ならもし来たら“大切な用があるから、屋敷に来て”って伝えてもらえますか?」
「分かった。必ず伝えるわね」

期待ハズレの内容に内心ガックリする物の女将さんには何も火がないから、私は笑顔のまま言付けだけ頼み宿を潔くさる。




「龍馬は一体どこにいるんだろう?ひょっとして今は京にはいないのかな?」
−そのようなことはない。ごく僅かながら、坂本龍馬の気を感じる。
−ええ、凪案内しましょうか?
「うん、二人ともお願い」

消息不明で探すあてもなく苦戦しかけシロちゃんとシュウちゃんに助けを求めると、二人は胸を張りそう答えてくれ苦戦は瞬間に免れた。
ひょっとして最初から、こうすれば良かった?

−分かった。だが今日は辞めないか?坂本龍馬が今いる所はあまりにも危険過ぎる。
−言われて見ればそうですね。
「どこにいるの?」
−・・・戦場の中。
「さぁてと夕飯の買い物に行くか」
−懸命な判断です。

聞いた場所があまりのとこに青ざめなかったことにして、巾着袋からメモを取り出し買い出し食材をチェック。

いくらなんでも戦場の中まで行く度胸はない。
私が戦場に乗り込んで、無傷で帰ってこれるはずがないからね。
それにもし行って帯刀さんに知られたら今までにもない大目玉を喰らって、私は一人では外出禁止でシロちゃんとシュウちゃんは札を破り捨てられ燃やされる。
だからなかったことにする。


「え〜と買わないといけないのは、玉葱と牛肉。後あれば干しぶどう。ここって牛肉はどんな風売ってんのかな?・・・一頭丸ごととか言われたら、どうしよう・・・」
−凪、危ない。
「え、わぁぁ〜!!」

すっかり奥様気取りで夕飯のことに夢中のまま前も見ず歩いて進んでいると、シロちゃんが声を張り上げ私は我に返り前をよく見ると目の前から黒髪の男性が走ってくる。
最悪にもその男性は後ろばかり気にして、私のことなど気づいく様子がまったくてない。

そして、私達は激突した。

ドッカン〜!!


「イテテテ」
「大丈夫か?すまない」
「え、あありがとう」

てっきり怒鳴られると思いきや男性は私を心配してくれ手まで差し延べてくれ、私は遠慮せずその手を掴み立ち上がる。
意外に紳士でよく見れば、帯刀さん程じゃないけれど結構イケメンだ。
それでもって声も渋くて格好いい。



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