夢幻なる絆

□6.四神を救え
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「凪、初めまして。白虎からすべて事情を聞き、私も微力ながらあなたの力になります。それは結果的に白龍の神子の力になるでしょう」
「朱雀ありがとう。うんそうだね。私は別に龍神の神子と敵対するつもりはない。・・・帯刀さんは取られたくないけれど・・・」

シロちゃんの頭上に乗った朱雀はまるで歌でも歌ってるような柔らかい心地の良い丁寧なしゃべり方でそう言ってくれて、私はそれに頷きながらもでもこれだけは譲れないことを力なく正直に伝える。
神様でもいろんなタイプがいるらしい。

龍神の神子はまだ会ったことがないから何も言えないけれども、今の所出来るだけ協力するつもりでいる。
でももし帯刀さんをちょうだいと言われたら、答えは絶対にNOできっと敵対してしまう。
もちろんシロちゃんだって・・・。

「彼はあなたの特別な人だと聞いていますから、そう思うことは当然のことですよ」
「フム。そもそもそんな心配しなくとも、小松帯刀自身が断るだろう。例え八葉となったとしても、それは名だけの物」

シロちゃん同様朱雀も私のことを理解してくれているようで、私のわがままも優しく包み込んでくれた。
暖かくて心地いい。
だから私の不安な気持ちはなくなり、私も二人見たく優しい気持ちが込み上げてくる。

そう、だよね?
神様二人が大丈夫だって言っているんだから、心配しなくてもなんとかなるよね?
それに帯刀さんだって、きっとどんなことがあったって私の傍にいてくれる。
だから私は今まで通りの私でいよう。
恐れることなんてない。

「ありがとう。二人とも。もう私このことで迷わない。自分の出来ることを精一杯やってみるね」
「そのいきですよ。凪」
「やっぱり凪は、いつもの凪が一番魅力的じゃな」
「もうシロちゃんったら・・・」

私らしく開き直り早速立ち直り宣言すると、シロちゃんは恥ずかし過ぎることを当然のように言い切る。
一瞬で私の顔に火が付き、恥ずかしくて視線を泳がす。

いつもの凪が一番魅力的。

そう言ってくれるのは、シロちゃんとそれから帯刀さんだけだ。
あっ、でも帯刀さんはそんなに言ってくれないか。
帯刀さんはいつもあっさりと魅力も色気もないって言うけれど、夜になった時だけようやく言ってくれる。


「奥様、旦那様が戻って来られました」
「本当に?じゃぁ二人とも私帯刀さんを出迎えてくるね」
「本当に凪は可愛らしいですね。こんなにもすぐ顔に出るなんて、よほど嬉しいんですね」
「だから言ったろう?凪は素直で可愛らしい。我の愛しき人の子だと」
「・・・・・」

約束通り知らせて来た梅さんの嬉しい言葉に私はすぐに返答し立ち上がりシロちゃん達にそう言って部屋を飛び出そうとすると、二人して私の態度を微笑ましく見ていてまた照れるようなことを言い合っていて私は言葉をなくす。

だからそう言うことを言われると恥ずかしいんだってば。
まさか神様ってみんなそう言うのなの?
・・・この先ある意味で不安かも・・・



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