夢幻なる絆

□5.抗う覚悟
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「姉貴すげぇ〜!!本当に運命の輪を出しやがった」
「へぇぇ、これが私と帯刀さんとの愛の証よ」

タロット占いの結果は望み通りの運命の輪を驚きまくる弟に、私は無駄に胸を張り訳の別れぬことを言って自慢する。
私も内心それが出てホッとして、自分は強運の持ち主だと確信した。

だけど本当にこの結果が、愛の力だったら嬉しいな。
二次元でも帯刀さんが存在するなら、私は二次元の住人になっても構わない。
すべてを捨てる覚悟は、すでに出来ている。
少し考えれば簡単すぎる答えなのに、なんで私はそれに気づかなかったんだろうね?

「そうだな。気をつけて・・・って何をやってるんだ?」
「いろいろ頼まれていることがあるんだよね。それにやっぱり最愛の旦那様と逢うんだもん。ちゃんとして行かなきゃ」
「!!」

すぐには行かず台所からカレーのルーとみりん・リビングから救急箱や家庭の医学書などを集め準備をしていると、弟に不審がられ訳を聞かれたから意味深発言すると弟の顔は真っ赤に染まり言葉をなくす。

さすが経験済みの反応である。
でもそんな反応するなんて、まだまだだったりする?

「と言うわけだからお風呂に入って綺麗にしてこよう。あんたも寝る前に入るでしょ?」
「あ、うん。そう言えば姉貴朝には戻ってくるんだろう?」
「戻りたくはないけれど、・・・多分ね。もし一週間戻ってこなかったら、駆け落ちしたってことにしといてね」

せっかく有頂天でルンルン気分になっている所に考えたくない現実を突き付けられ、気分は一気に沈みそれでも元気なく願望を想定して対処をお願いする。

そんなことを頼まなくても、間違えなく翌朝には戻って来てしまう。
今回は妄想の世界って思い込んでいたから四ヶ月物長い期間を絶えられたけれど、今度また四ヶ月も帯刀さんと逢えなかったら私どうなっちゃうんだろうね?
考えただけでも胸が苦しくなって、悲しくなるよ。

・・・シロちゃんの神力はどの程度回復してるんだろうね?

「・・・姉貴ごめん。オレいつも余計なことばかり言って、姉貴を苦しめてるんだよな」
「・・・うん。私そんなに強い人間じゃないからね」
「そうだな。オレもその帯刀に会って、姉貴を末永くよろしくって頼みたいよ」

もろに顔に出てしまっただけでなく馬鹿正直に心境を語ってしまい、弟はまるで兄のように姉のことを心配する。
それは弟なりの優しさでありがたいとは思う物の、そんなことされたら姉の立場がなくなってしまう。
やっと手に入れた姉としての威厳なのだから、そう簡単には失いたくない。

うん、絶対。




そして私はお風呂でむだ毛処理を完璧に終わらせ、私らしくない清楚なワンピースに着替えリュックとウエストポーチを装着して眠りにつく。
するといつもと同じ異変がすぐに置き、私は当然のように異世界へと旅立つ。


だけど・・・。




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