夢幻なる絆

□リアルワールドへようこそ
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凪、引き受ける



「うん、分かった。そう言う事情なら仕方がないよ。一日だけなら大丈夫だから、気にしないでいいからね」


帯刀さんの入浴中にネットをやっていると後輩から電話が繋かってきて、嫌なお願いをされてしまい内容が内容なだけに引き受けざるおえなかった。
明るい声で電話を切った後、深い溜息を付き大いに凹む。


「どうした凪?」
「実は明日仕事になっちゃったんだ。後輩の祖父が他界したから、明日の休みを交換したんだよね」
「仕事と言うのは、大変なのだな」


そこへシロちゃんがやってきて心配そうに問われ、私はふさぎ込んだまま訳を話同情をしてもらう。

やっぱりシロちゃんは、いつものシロちゃんのがいいね。


「そう。だから明日は帯刀さんとお留守番しててね」
「小松帯刀と留守番・・・遠慮出来ぬか?」


言葉だけではなく、思い切り嫌な顔をするシロちゃん。
本当に帯刀さんを苦手としていることがよくわかる。

帯刀さんもシロちゃんを嫌ってるみたいだから、二人だけにしておくのはいろんな意味で危険?


「だったら大人しくいい子でお札でいるのなら、連れていってあげるけど」
「約束する。もうあのような愚かなことはせぬ。だから頼む」


考えた結果一番よかろと思うことを条件付きで問うと、シロちゃんは頭まで下げ必死で頼む。

そこまで必死なんだ・・・。


「駄目。シロは私といなさい」
「あ、帯刀さん」
「げっ、小松帯刀・・・」


そんな私とシロちゃんの会話に風呂上がりの帯刀さん割り込み、顔を引き攣るシロちゃんをつまみ上げ睨みつける。

湯上がり姿の帯刀さんは相変わらずお色気全開じゃなくて、もろに嫉妬を漂わせて私まで怖いです。
嫉妬なんかしなくて・・・して当然か。
でも私のことを取り合いしてるなんて、親でさえ信じてくれないだろうな。


「夕凪、図書館は誰でも利用できる施設なんでしょ?」
「はい、誰でも約束事を守れば自由に利用できます」
「まったく図書館と言う施設は、素晴らしいとこだよ。だから私も明日は一日図書館に行くことにする。夕凪の働く姿を見ておきたいしね」


図書館に興味を持って私が働いてることに疑いを持ってる帯刀さんは、あっさりと明日の予定を決めシロちゃんをほおり投げ私を背後から抱きしめる。

帯刀さんの温もり倍増・・・熱いけれど。


「帯刀さんがそれでいいのなら」
「いいに決まってるよ。調べたいこともあるし」
「なら私張り切って仕事をしますね。私のこと惚れ直すぐらいに」
「今でさえどうしようもなく愛してるのに、夕凪にはそれでもまだ物足りないの?」


気分を良くした私はつい調子いいことを胸を張って言ってみれば、帯刀さんは私をベッドの上に押し倒しそう問い何度も何度も甘いキスを激しく交わされる。


「女性はわがままだから、それ以上の愛情を求めてしまうんです」
「わがままね。だったらお望み通り・・・今夜は寝かせないよ」
「え、それはちょっと・・・。明日は仕事だし」
「駄目、それは認めない」


可愛い子ぶって答えてみたのがいけなかったらしく、その気にしてしまい弱冠拒否っても却下され素肌を曝されてしまう。

「見ておれん・・・」


シロちゃんは溜息まじり呆れながら、リビングに行く。
リビングにはシロちゃんの寝床がある。

「・・・それに私お風呂もまだ入ってません。汗くさくないですか?」
「朝入ればいい。今私を拒否れば、今夜はおあずげだよ。こう言うこともすべてね」
「あっ・・・」


そう意地悪な問いを問い返され、しかも一番感じる所を舐められてしまった。
敏感に感じてしまう私の体はもう帯刀さんを欲してしまい、下着が濡れそこに何かが入ってきてなぜ始める。
息が荒くなり、理性がなくなっていく。
こんな状態で止められたら、私はそれこそ眠れない。


「たて・・わき・・さんは・・ずる・い」
「夕凪がたぶらかすだけたぶらかして、お預けにしようとするいけない子だからでしょ?私は夕凪が欲しい。今すぐに」
「・・分かりました・・・ッつあ〜!」


はっきり私を求められもう拒否する理由もなく潔く頷いた途端、私は今夜最初の絶頂を感じてしまう。
もう私の理性は完全になくなり、本能だけが私を支配する。


「夕凪、良いことを教えてあげる」
「え?」
「仕事の変わりはいくらでもいる。もちろん私の家老もね。だけど私にとっての夕凪は目の前の夕凪しかいない。変わりなんて誰にも務まらないんだよ。どう、嬉しい?」
「・・はい・・。私も帯刀さんと同じ気持ち・・・ん、あぃ〜」


真夏のくそ熱い今夜も私達には関係なく、いつものようにううんいつも以上に愛を深めていくのだった。



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