夢幻なる絆
□番外編2
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凪、危機一髪?
目が覚めるとそこにはいるはずもない帯刀さんがいて、あろうことか本棚をあさっていた。
見たサッと血の気が引き、眠気が吹き飛び一発で覚める。
どうして帯刀さんがここに?
って言うか、そんなにマジマジと見ないで。
歴史関係ならまだしも、萌え系関係・・・18禁のそれでいてレイプ紛いでしか漫画や小説は・・・。
「あ〜見ないで〜」
「もう遅いよ。凪くんは変態だったんだね」
力の限り声を張り上げ最悪自体を阻止しようとしたが、それはすでに遅く言ってほしくない真実を軽蔑の眼差し付きで言われてしまった。
シクシクシク
「ごめんなさい。でも好きなものは好きなんです」
「こんな男として最低な物がね。だったら凪くん、この絵物語を体験してみる?」
「え、体験?」
いくら変態呼ばわれされても捨てることは出来ない私に、帯刀さんは悪魔の笑みを漏らし問う。
意味が分からなくても、恐ろしいことだと言うことが分かる。
「私が今から君を犯すこと」
「ひぃぃ、それだけは勘弁して下さい」
「駄目」
「帯刀さんこそ変態で獣だ」
「君に言われたくないね。さぁ仔うさぎちゃん、狼さんが味わって美味しく頂いてあげる」
なぜかいきなりのレイプされる展開になり、しかも帯刀さんが狼になり洪水のヨダレを流しながら私に忍び寄って来る。
「ギャァ〜、帯刀さんが狼になった〜」
「ギャァ〜、帯刀さんが狼になった〜」
「なりません」
バシッ
「は、ここはどこ?」
頭に激痛が走り目が覚めると、そこは夕日が差し込む縁側だった。
状況を把握出来ず辺りを見回すと、物凄い剣幕をした帯刀さんが私を睨んでいた。
ちゃんとした人間の姿。
「縁側で昼寝をするのは君の勝手だけど、人に迷惑をかける寝言を言うのは辞めなさい」
「夢?なんだ良かった」
きつくお叱りを受けてるのに、夢であったのが嬉しくてホッとして肩をなぜ降ろした。
そうだよね?
いくらなんでも帯刀さんが、そんなことするはずがない。
「それでどんな夢を見てたの?」
「え、それは秘密です」
「夕食抜きだよ」
「・・・帯刀さんが私を犯そうとしたんです」
言いたくなかったのに嘘も付けなさそうな雰囲気に、私は視線を泳がせながら小声で素直に薄情する。
帯刀さんには嘘が付けない。
なぜかすぐバレる。
「安心しなさい。それは絶対にないから」
「速攻で断言なんですね。まぁ帯刀さんなら相手に不自由しなさそうですし」
「・・・凪くんはどこまで鈍感なの?」
「え?」
「犯すって意味知ってる?私は何があろうと絶対に、凪くんを犯したりはしない」
「分かってます。ごめんなさい」
女としての魅力がないってことを十分知ってても速攻の断言に少し悲しくなっていじけると、呆れきった帯刀さんは似たようなことをもう一度力ある言葉で言う。
そんなの分かってるのに、帯刀さんのいぢわる。
「・・・やっぱり分かってないね・・・」
そんな私に帯刀さんは何かを小声で呟き、深いため息をつくのだった。