夢幻なる絆

□4.新婚旅行
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「あの〜帯刀さん。すみませんでした」
「なにが?夕凪はどうして私が怒ってるか知ってて、謝ってるの?」

船内の私達が泊まる部屋に連れてこられ持ってきた絆創膏を帯刀さんに貼ってもらっている最中、一行に続く無言が絶えられなくって恐る恐る謝ってみれば不機嫌に意味を問われてしまう。
それだけ私は、帯刀さんを怒らせてしまった。
だけどそれでもこうやって私の傍にいてくれて、私を心配して怪我の自ら手当てをしてくれる。

「私が龍馬と仲良く話ていたから、それに嫉妬してるなんて言ったらですよね?」
「夕凪にしてみれば珍しくそれなりに理解してるようだね。でも龍馬と仲良くする自体は、別に構わないよ。・・・夕凪が別の男と仲睦まじく話ている姿を見るのは、非常に苦痛で面白くない」

自分なりの理由に近い帯刀さんの答えに、私はホッとしてなんだか嬉しかった。
帯刀さんがそんな風に想ってくれている。
私を信じてくれるのも嬉しいけれど、嫉妬もして欲しいと想ってた。

「分かりました。もう二度とそう言うことはしませんね。それでいいですか?」
「しませんって・・・そんな約束できるの?」
「はい、もちろんです。帯刀さんといる時は、私帯刀さんのことだけ考えることにしますから」
「そう。分かればいい。・・・早く治るおまじない」

チュッ


ようやく納得してくれ満足そうな笑みを浮かべた帯刀さんはそう言って、私の鼻のてっぺんに軽くキスをしてくれる。
傷口にちょっと染みるけれど、本当に効き目がありそうな気がした。

でも・・・。

「あの・・・それだけですか?」
「物足りない?ここにもして欲しい?」

戸惑い催促に近い私の言葉に帯刀さんはそんな問いを甘く投げかけ、私の唇をそっと人差し指で触れた。
それは絶対に誘っている行為で、私は思わず息を呑み深く頷く。

して欲しいに決まっている。

「駄目。夜までお預け。私の心を玩んだ罰だよ」
「・・・玩んでないです」

私が玩んだ?
それってさっきのこと?

「玩んだの。とにかく夜までお預けだよ。分かった?」
「分かりません。だったら・・・」

まるで私の心を試すようにけして自分からキスをしようとしない帯刀さんに、私は横に首を振り懐に飛び込んで自らから帯刀さんの唇を奪い取る。

帯刀さんの甘くてもっとも愛しい味。
ここまで焦らされたら、例え夜がすぐに来るとしてもお預けなんてできない。
今すぐ欲しい。

「・・・そう。どうしても欲しかったら、こんな風に自分からするんだよ。私はいつでも大歓迎だから」
「はい、分かりました。ならもう一」
「今度は私から。はい、大変良くできました」

私の行動に大満足だったのかキスが終わった後そう甘く囁かれ、もう一度率先してしようとすると私に今度は帯刀さんからご褒美が貰えた。

とっても甘い痺れてしまうキス。



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