夢幻なる絆

□4.新婚旅行
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「お帰り、夕凪。待ってたよ」
「帯刀さん、ただいま」

目を開けるとそこにはやっぱり愛しい人の笑顔があって場所はいつもと違って自分の部屋だったけれど、そんな些細なことなど気にせず私も笑顔であいさつしながら愛しい人の懐にダイブする。
そして半月ぶりに愛しい人と、キスを交わし合う。

お帰りなさい
待っていたよ。

このたった二つの言葉くれただけでも、嬉しくて幸せな気持ちが満ちあふれ、壊れそうなだった心がどんどん修復されていく。

「帯刀さん。ちゃんと約束守りましたから、息も出来なくなるまで抱きしめて下さい」
「そうだね。はい、ご褒美。よく頑張ったね」

帯刀さんの懐の中で思い切り私は帯刀さんに甘えると、ニッコリと笑って私が望むように息も出来ないほど強く抱きしめてくれる。

帯刀さんのいい匂いに、暖かい優しい温もり。
痛くて苦しいけれど、幸せの方がやっぱり大きい。

「・・・はい。この半月頑張りました。帯刀さんは私がいなくて、寂しかったですか?」
「寂しくないって言ったら、どうする?」
「そんな意地悪言わないで下さい。私はすごく寂しかった。・・・だから・・・」

自分に自信がなくても帯刀さんのそう言う嘘は本能的に分かって、首を強く横に振り自分の想いを切なげに告げ本音を聞き出そうとした。

だって私をこうやって拒まないってことは、そう言う意味だから。
そのぐらい私だって分かる。

「嘘。寂しかった・・・。こちらの世界では三ヶ月も時が流れてるんだからね」
「・・・よかった。そんなに月日が経っていても、帯刀さんは私だけを愛してくれたんですね」
「当たり前でしょ?だから今夜はいいよね?」

やっぱりと言うようにすぐに白状してくれて、今度は帯刀さんからそんな請求を耳元で囁かれる。
少なからず予想していたことでも、いざ声に言われると恥ずかしくって鼓動が高鳴り出す。

私はこうやいるだけでも私は満足なのに、帯刀さんはそれだけじゃ物足りない。
それは半月と三ヶ月との違い?
それとも単純に帯刀さんと私の違い?

「・・・はい。今は夜なんですね?」
「そうだよ。今は夜。夫婦の愛を深める刻限」
「なら私脱ぎますね。今私、洋服ですし」
「駄目。それは私の役目だから」

って言って帯刀さんには不器用だけど確実に、パジャマのボタンを外していく。
その後ズボンもあっさり脱がされ自分の寝着も脱ぎ捨て、二人だけの甘い刻限はが始まった。



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