夢幻なる絆

□4.新婚旅行
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「た帯刀さん、そのホワイトタイガーはなんなんですか?」
「夕凪の可愛がってる猫だよ。これから夕凪の番猫にしようと思って連れてきたね」
「番猫?猫なんですか?」
「にゃ〜あ」

一眠りして気持ちよく目覚めると渡り廊下の方から、驚きを表にしている南方先生とそれを当然と答える帯刀さんの声が聞こえた。
シロちゃんも一緒らしい。
私のことを心配して来てくれたんだね。

だけど番猫って・・・?

「そう。夕凪、入るよ」
「あはい」
「遅くなって、すまない」
「今まで寝てたので、気にしないで下さい」

私とは違いちゃんと私の許可をもらった上で、帯刀さんそれから南方先生が入って来る。

親しいき仲にも礼儀ありか。
私も今度から気をつけよう。

「あれシロちゃんは?」
「会いたい?私よりも?」
「またすぐそう言ういぢわるを聞くんですから」
「ごめんごめん。シロ入って来ていいよ」
「ニャン」
頬を膨らませて口答えすると、帯刀さんは笑って謝りシロちゃんを呼ぶ。
するとシロちゃんは嬉しそうに私の元に駆け寄ってきて、猫イヤ犬らしく私の顔をペロペロとナメまくる。
初めてでいきなりだからびっくりしたけれど、こう言う歓迎も案外嬉しいかも知れない。

だけど

「シロ、調子に乗らない。あなたは夕凪をただ守るだけで良い。夕凪の心を癒すのは、私だけで十分間に合ってる」
「フニャン」

それを許すはずがない帯刀さんはすぐにシロちゃんの首根っこを掴み、マジで怒りシュンとなるシロちゃんを私から引き離す。
何も知らない第三者が見れば明らかに帯刀さんは大人気ないのに、南方先生はそんな私達を微笑ましく見ている。

「お二人は本当に仲の良い夫婦ですね」
「そう言ってもらえると嬉しいです」

呆れずに私にとっては最高級の誉め言葉をもらい嬉しくなりて恥ずかしげに受け答えし、帯刀さんを見上げると帯刀さんもどこか少しだけ嬉しそうな優しい笑みを浮かべていた。

帯刀さんも同じなんだ。
そりゃそうだよね。
私達は相思相愛なんだから・・・。

・・・なんか少し恥ずかしいな。

「帯刀さん、泊まって行って下さい。怨霊に襲われると夢にまで出て来て、うなされる恐れがあるんです。ですから・・・」
「そう言うことなら、お言葉に甘えさせてもらいます。これ以上妻に辛い思いをさせたくないですからね」

いきなり南方先生はが医者の顔に変わり恐ろしい後遺症みたいなことを告げられ一瞬不安になる物の、すぐに帯刀さんは私を抱き寄せ頷いてくれ不安を取り除いてくれる。

帯刀さんが傍にいてくれるのなら、不安なんてなにもない。
怖い夢だって、楽しい夢に変わるはず。

「なら頃合いを見て布団を持ってきます。それから凪さん、この薬は食後に飲んで下さい」
「はい、分かりました。南方先生、ありがとうございます」
「では私はこれで。何かあったら遠慮なく呼んで下さい」

と南方先生は言って、部屋から出て行った。



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