夢幻なる絆

□番外編1
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凪、お出かけの許可をもらう



私が幕末にタイムスリップしてしまい帯刀さんのお世話になって三日目のこと。


特にやることもなく屋敷で暇を持て余していた私は、突然歴女魂に火が付きいてもたってもいられなくなった。


それは遺跡巡りではなく、歴女だけじゃなく歴史好き憧れのモノホン巡り。
ついでに新撰組や坂本龍馬それから西郷さんも、直接会ってみたい。


まぁ坂本龍馬と西郷さんは帯刀さんと馴染みある人達だから頼めば、もしかして会わせてくれるかも知れない。

なんて密かな望みに期待しながら、早速帯刀さんに頼んでみた。


しかし


「無理」


少しも考えることなく、即答できっぱりと断られてしまった。


これじゃぁ、身も蓋も無い。


「え〜、なんでですか?」
「凪くんは馬鹿・・・馬鹿だったね。二人とも君のように暇人じゃないの。そもそもどうして私が、君の頼みを聞いてあげないといけないの?」
「うぐ・・・。だったら一人で出掛けてもいいですか?」


頬を膨らませ理由を聞くと多少ムカつくけどもっとも過ぎる答えを言われ、言葉をなくし悪あがきするように別のことをお願いする。


これなら帯刀さんの迷惑はかからない。


「命の保証がなくても構わなければ、お好きにどうぞ」
「ならお好きにします。日がくれる前までに帰ってきます」


どこか素っ気なく脅すように言われたけれど、私は生意気にそう言って立ち上がる。
すると帯刀さんは新しい紙に何かをスラスラと書き、財布から数枚のお金を取り出す。


「まったく仕方がないね。はい、お小遣と身分証。もし疑われたら、これを見せるんだよ。いいね?」


って呆れて子供に言い聞かすように、両方私にくれる。


一文無しの私にはとってもありがたいことだったけれども、よくよく考えたら年下からのお小遣。


いくら私の年齢は秘密にしているけれど、これはちょっとって感じで複雑な心境かも。


でもやっぱり出掛けるからには一文無しじゃ、何も出来ないから嬉しい?


「ありがとうございます。ならいってきます」
「いってらっしゃい。気をつけて行くんだよ」
「は〜い」


と言って私は元気よく、外に飛び出した。



さぁ〜て、どこに行こうかな?



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